ハリポタ女優２ (ページ10)

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朝のひとときページ10

「おはようございます」

あいさつしながら昨日ぶりのスタジオに入って、荷物を置いたらメイク室へ。

この流れになれすぎてゲシュタルトほうかいを起こしそう。使い方合ってるかわからないけど。

「おはようございます！」
「おはようA、今日も朝から元気ね」

メイク室に入ったしゅん間から、スイッチを入れる。

理想の子どもでいることにいつまでもこだわってるのは良くないかもしれないけど、それできりかえができてるんだからいいよね。

「今日は、、昨日と同じでシニヨンね」
「はい、よろしくお願いします」

今のうちに台本の確認でもしておこうかな。

「ねえA」
「はい、なんでしょう？」
「まだ未定なんだけどね、じきにネイルチップつけることになるかも」
「ネイルチップ、、ですか
　私は大丈夫ですけど、ていうかきょひするけん利なんてあるんですか？」
「まあ、一応聞いたってとこだろうね」

良かった、お姉さんが正直に話してくれて。

『Aの希望はできるだけ通したいらしいから』とか言われたらどうしようかと思った。

「私の役だけキャラがブレブレじゃないですか？」
「そう？見た目は派手かもしれないけど、もっとクセが強いキャラ何人もいるじゃない」

確かに、主人公の３人とかよく考えたらけっこうぶっとんでるとこあるよね。

「ごめん、そろそろ顔いっていい？」

”顔いく”とは、『ヘアは終わったから、メイクしてもいい？』という意味。

台本の確認、、いざとなったらトムかエマあたりにでも助けてもらえばいいか。

それを口実に２人をくっつけるのも悪くない。

「大丈夫です、お願いします」

ヘアはまだしも、メイクはほんとにねむくなる。

お姉さんの手つきが優しいぶんまぶたが下がってきちゃうんだよね。

「終わったよ〜」
「ありがとうございました！」
「Aはかわいいからメイクなんてする必要ないんだけどね」
「ありがとうございます、お姉さんも」

顔をかわいくするだけじゃなくて光の当たり具合とかもあるんだけどな、と思うけど、口には出さない。

ていうか、こっちに来てから大人に顔をほめられることが増えた気がする。

日本人がシャイとはいえ、もうちょっと言えばいいのにね。

あ、エマいた。

「ねえ、台本の確認手伝ってもらってもいい？」
「もちろん」
「良かった、じゃあトムも呼んでくるね」
「え、ちょっと待って、聞いてないけど」
「まあまあ、ね！」

私はあなたをおうえんしています。

何かのキャッチコピーみたい、そう思った。