ハリポタ女優２ (ページ25)

今日:11 hit、昨日:31 hit、合計:15,885 hit

共通点ページ25

「カッ
「オッケー、お昼休憩入ります！！」

教室でのワンシーンをとり終えた。

もう少し課題をやってから行くと言うと、エマに本気で驚かれてちょっとショック。

ふた子には目を見開かれてだいぶいらっとした。

良いねむけ覚ましにはなったけどね。

さわがしかった彼らが出ていくと、ペンだけがカリカリとせわしなく動く。

というようなことはなく、少し離れたところからいびきのような音が聞こえる。

「おーい、ルパ」

ねている人の近くで勉強するのはなんだか力が抜けてしまって集中できそうにない。

声をかけると、赤色のローブがモゾモゾと反応した。

「もうお昼休けいだよ」
「うん」

いったん立ち上がりかけ、何かを思い出したかのようにまた座る。

「A」
「どうしたの、何かあった？」

わたしの名前を呼ぶルパは心なしか不安そうで、いつもとふん囲気が違う。

「A、僕らって友達だよね」

「もちろん友だちだよ」
「じゃあ、午後の撮影ついて来てくれるよな」

彼の瞳に映る私はみけんにしわが寄っている。

「どういうこと？」
「午後イチでアラゴグのシーンを撮るらしいんだけど、僕本当にクモがだめなんだ
　君がいてくれたら心強いんだけど」

なんだそんなことか、と思ってしまった。

彼は私の表情から全てを悟ったようだ。

ため息とともにかたをすくめられたら、まるでこっちが悪者。

「わかったよ、近くで見守ってれば良いんだよね？」
「良いの？ありがとう！！」

瞬時に立ち上がったルパは満面の笑みで私の手をにぎりぶんぶんと上下にふった。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「おいおい、なんで２人がいるんだよ」

セットに着いたと思ったらルパに腕を引かれささやかれる。

「なんでって、、」
「僕がビビってるところを見物しに来たのか？しゅみが悪いな」

「「おーい、聞こえてるぞ」」

食堂ではち合わせしたふた子はさっきの会話を聞いていたらしく、無理やり連れて行かされた。

「ルパ、頑張ろうね」

ダンのけんめいなはげましもむなしく、ルパの顔は暗いままだ。

とりあえず見に行くことに。

「「うわぁ！！/うわっ！！！」」

『秘密の部屋』の中でも印象的な生物、アラゴグ。

びっしりと毛が生えた足に、声は出さずとも私も顔を引きつらせた。

「「うぉ、！/でっけぇな！」」

２人も初見のはずなのに反応が小さい。

「始めるぞー！！」

このときほど暗い顔の彼は後にも先にもいないであろう。

撮影を見ていた３人の感想は”演技かもあやしい”。