ハリポタ女優２ (ページ23)

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むかつくなあページ23

「上手くできるかわからないけど、、」
「もしかして初めて？」
「うん、人前では」
「安心しろよ、もう無理ってなったら僕たちがやるから」

『秘密の部屋』のさつえいが始まる前に送った手紙。

あれからそれなりに頑張って練習した。

今日はいよいよおひろめ会だ。

「楽しみだな、Aがマジックをするなんて」
「Aは器用だからきっとできるわよ。トム」
「そんなこと言ってるのエマくらいだよ、どんくさいじゃないか」
「笑いすぎて撮影を長引かせてる君と転んで機材のコードを抜いたAと、どっちがましなんだろうね」

ふた子にしか言ってないはずなのになぜいつもの面々がいるのか。

それで、ダンはなんで私がやらかしたことを知ってるの？？

「勉強もせずに練習してたんだからできないはずないわ」
「ボニー、知ってる？マジックの練習をしてたのはふりで、Aはただ勉強をしたくなかっただけなんだよ」

ピュア代表の２人もおそらくうわさを聞いてやってきたんだろう。

マシューもなかなかのばくろをしてくれている。

ん゛ん゛、とせきばらいを一つ。

周りが静かになったことを確認してから重々しく口を開く。

「それでは始めます、佐々木Aによるマジックショー！」

はじめは簡単なものから。

ふた子がおおげさなほどに感心しているのが気になるけど、無視して次に進む。

エマに手伝ってもらったらかわいい笑顔が見られてこっちまで広角が上がる。

３つ目にさしかかったとき。

チャリンチャリンチャリン、、！！

種となるコインを落としてしまった。

大丈夫、？という顔で私を見つめるピュアーズ。

とりあえずコインを拾って、次のマジックを始める。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「これで終わります」

みんなからの拍手。

「すごかったわ！！」
「Aにしては頑張ったと思うよ」
「やってることなんで言ってくれなかったの？」

どうやらダンは連れてこられただけだったみたい。

「練習したかいがあったわね！」
「Aにもできるなら僕もやってみようかな、」

ほっとした様子の優しい２人。

あの失敗はなかったことにできたかもしれない。

「まだまだだね」
「まあ、練習したのは伝わったよ」

「初めてならこんなもんだと思うよ」

ふた子はともかく、トムまできびしいご意見ありがとうございます。

じゃあお手本見せてよ、というと彼らは不敵な笑みをうかべた。

軽々とせいこうさせてドヤ顔の彼ら。

私の頭を軽くなでて帰っていくあたりイケメンでむかつくなあ。