ハリポタ女優２ (ページ11)

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全員てきページ11

「おはよう」
「A、おはよう！」

朝、メイクが終わったらエマにあいさつする。

もはやルーティングと言っていいくらいには身にしみついた。

「なんかごきげんじゃない？」
「そりゃそうよ、今日、いるのよ！」

トムに夢中のエマは、前まで私といっしょに見に行ってた香ばん表を１人で見に行くようになった。

本人いわく、”Aが来る前に気になってしょうがなくなっちゃうから”とのこと。

そこまでいったら末期しょうじょうだと思う。

なにより、『今日はいる』みたいな言い方だったけど、トムって昨日もいたよね？

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エマに手を引かれてセットへ。

彼がさつえいしているらしい。

「ねえ、もしかしてトムのスケジュールもはあくしてるの？」
「当たり前よ、できるだけ見ていたいもの！」

こいするおとめの行動力はすごいね。

よく知らない子たちのこいしてるすがたは見たくもないけど、エマは心からおうえんできる。

なにせ相手がトムだしね。

エマは鼻が高くて、ヨーロッパのおしゃれなふんい気が顔にも出ている。

日本人にないものを持っているからか、ものすごくかわいく思える。

そんな人が好きになる人ってどんな人だろうと思ったけど、聞いたときは安心したもんね。

「A、よく見て！表現力がすばらしいわよね！！」

演技がどれだけ上手いかということについて熱べんしている。

ハーマイオニーがそういうキャラではないからざんねんだけど、この熱量をそのまま演技に持っていったらすごそうだな。

こいをしている少女の役、ぜひいつかやってほしい。

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さっきからし線を感じる。右ななめ後ろ。

「ねえルパ、なに？あ、用けんは手短にね」
「特にないけど、今の君を見たら誰だって気になるんじゃないか？」
「私、特にきばつなことしてないけど」

私が変人に見えるって言いたいんだとしたら、それはないと思う。

「一見ね。でも、人が会話しているところを穴があきそうなくらい見つめてるやつはなかなかめずらしい」
「しょうがないじゃん、ほぼ無意しきだし」
「無意識でそれはほんとに不審者だよ」

がんばれ、と人はよく言う。

私の場合おうえんのしかたが少しずれているかもしれない。

気持ちが大きくなってしまうあまりに、会話している２人をじっと見つめるという行動に走ってしまうのだから。

トムに近づく女子は全員てきっていう、それだけのこと。