ハリポタ女優 (ページ32)

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私であるわけページ32

こくこくとせまってくるタイムリミット。

それになんとなく見てみぬふりをしながら、今日もさつえいにいどむ。

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１人になりたい気分だからとエマにことわって出てきたけれど。

休み時間は今日のえんぎのふりかえりをすることが多い。

みんながにぎやかに遊んでいるのをながめていると、となりに誰かがこしかけた。

「やあ、A。こうやって話すのは初めて、かな」

「。。。えっと、はい、、そうですね」
「そんなにかたくならないで。君と話したいと思って」

「かんとく、聞きたいことがあるんですけど、、良いですか？」
「うん、僕に答えられることなら答えたい」
「。。。どうして私をキャスティングしたんですか？」

「。。。どうして？」
「だって、私、聞いたことあるんです、スタッフさんたちが話してるのを。
J・K・ローリングさんは、イギリス人しかだめって言ってたんですよね？
なのに、イギリスと本当にうすい血のつながりしかない私を、どうして、、、？？」

「彼女も君を望んだからだよ」
「え、、、！？でも、、」
「そう、確かに彼女はかたくなにイギリス人であることを望んだ。
交渉してもだめで出演が取り消しになった俳優だっていた。
でも君をキャスティングしたのは、カメラテストのときのことだったんだ」
「。。。くわしく聞いても、良いですか？」

「オーディションを受けた中で、私は君を誰よりも気に入っていたんだ。
だめと言われる可能性もあったわけだけど、カメラテストをやろうとなって。
そこに彼女、ローリングもいた。
君の見た目はアジアに近いからね、最初はいい顔をしなかったよ。
はやく次の子供を見たがってた。

でも、君の写りだとか、そういうものを見て、今度は君がいいと言い出した。
いつのまにか僕より熱量がすごくなってて。
まあそういうわけで、Aは数少ないイギリス人ではないキャストの１人なわけだね」

「ありがとうございます、教えていただけて良かったです。
今まで、私どこかで思ってたんです、私で良いんだろうかって。
私ぐらいえんぎの上手いイギリス人の子役なんてふつうにいるだろうし。
私じゃなきゃいけない理由が見つからなくて、」
「言葉で説明するのは難しいわけだけど、まあ、感じたんだよ。
なんだかこう、ビビッときたとでも言うのかな」

「君には期待してる、次の作品も、一緒に頑張ろう」
「はい！！」

だれも見てないし、目がいたいだけだもの。