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23. K ページ23

藤ヶ谷の胸を触りながらそのまま藤ヶ谷を押し倒した。
その間もキスはやめてやらない。
藤ヶ谷は拒絶しない。

「いいのかよ…」
唇だけ離し、至近距離で藤ヶ谷の目を見つめて
言った。
藤ヶ谷は少し動揺してる。

「俺は…好きだからしたい」
藤ヶ谷が目を見開いて驚いてる。

「だ…ダメだよ…ニカいるし…」
ドアの方を横目で見ながら答える藤ヶ谷。

その言い方は"俺にはニカがいるから"っていう意味じゃないよな?
"隣の部屋にニカがいるから"っていう理由だろ?

「そんな理由じゃやめてやんねーよ…?
ちゃんと藤ヶ谷の気持ちで答えろよ…」

藤ヶ谷は真っ直ぐに俺の目を見てきた。
「ちょっと話聞いてくれる?」

俺たちは起き上がってソファに座りなおした。
藤ヶ谷は少し俯きながら話し始めた。


「北山は…気付いてると思うけど…、

俺は北山が好きなんだ…」

「うん…」

「ずっと昔から好きだったよ。北山に何度彼女ができても、諦められなくて…。

でもさすがにこの前別れた彼女のときは…もう耐えられなくてニカに甘えたんだ…

そばにいるって言ってくれて…」

俺はただ黙って聞いていた。

「さっき…このまましていいのかって言ったよね?好きな奴とはしたいって思うだろって。

どんなにニカがそばにいてくれてもやっぱり想ってるのは…北山だったんだよ…」

藤ヶ谷は泣いていた。藤ヶ谷を抱きしめたい、そう思った。


「俺…バレンタインの日…お前が泣いてる姿を見て…追いかけたんだ…」

「えっ…」
あの日藤ヶ谷は気付いてなかった。


「あの日2人がキスしてるの見ちゃって…そこで俺は自分の気持ちに気付いたっていうかさ…
でもその前からおもしろくなかったんだよ。お前の隣にいるのが俺じゃないってことが…」

「きたやま…」

「俺もお前が好きだよ…」

抱きしめたいと思った。でも藤ヶ谷はそれを許してはくれなかった。

「でもおれは…ニカとは別れない…」

藤ヶ谷は俯いたままでそう言った。


「そっか…。悪かったな、藤ヶ谷の気持ち無視してこんなことして…。」

藤ヶ谷は何も言わず首を横に振った。

藤ヶ谷の頭を撫でた。
撫でると猫みたいに目をつぶる姿が愛おしかった。

「俺、帰るな?
ちゃんとニカと幸せになれよ!」

藤ヶ谷は俯いて泣いていた。

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作者名:chika | 作成日時:2018年2月10日 7時

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