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「ハニ放して」
「なんで戻るの」
「鞄とってくるだけ、そのまま帰る」
「ふうん」
ハニは少し考えるような所作をして、「ミンギュ」と呼ぶ。あそこの個室でしょ、鞄何色？と聞かれて、わけもわからず答える。うわ、呼ばれて出てきたミンギュに「取ってこい」と命令して取りに行かせた。わあ、ミンギュってば実は犬だったの？ってなにこれ。
「俺って気が利くからさ」
「自分で言っちゃうとこ」
「ヌナこれ？」
秒で戻ってきたミンギュの手には、わたしの鞄。すごいな、知らない男が急に現れて友人の鞄をかっさらっていくのに止めることもなかったのか、あの個室の住人たちは。あ、いや、たぶん、周り見えないくらいに騒いでただけだな、今もうるさい声聞こえるし。
「まあとりあえずありがとミンギュ」
「ソンミヌナによろしくね」
「それが狙いか」
「ユリ、俺にありがとうは？」
「ありがとうハニさまー」
「心こもってなさすぎ」
なんせわたしは今、早くここを離れたい気持ちでいっぱいなので、そろそろ開放してほしいところである。もう居ることがバレてたとしても、長々と居座ってるやばいオタクだとか思われたくない。主にウォヌに。
「ウォヌヒョンさっきの時点で半分寝てたから大丈夫だよ」
「ゲームで徹夜して大学行ったのそのままここに連れてきたからな」
「ゲームで徹夜とかかわいい」
「出たキモオタ」
「しんで」
思わぬかわいいウォヌを摂取してしまった。でもやっぱり早く帰りたい。ハニ、ほんと。
「もう帰るから、みなさんはどうぞ続きをお楽しみください」
「そんな遠慮すんなって」
「遠慮じゃないから！」
まだ帰らせてくれないハニにしびれを切らして、ちょっと大きい声が出た。やばい、と思った時、彼らの席である半個室の暖簾の奥から「ユリヌナ？」って声が聞こえる。え、ウォヌ起きた？聞こえたじゃん、これ。
焦ってミンギュから鞄を奪うようにして受け取り、ハニの腕を振り払って「わたしの話したら殺す」と言い残し、ダッシュで店を出る。
お願いだから気付いてませんように、そしてやつらが話しませんように。ウォヌに追っかけだとか厄介オタクって思われたらしんどいんで。
いや、ハニとミンギュとスングァンとか全然黙っててくれなそうで詰んだわ。
帰り道、頭を抱えて歩くわたしの姿は、きっと異様だっただろう。
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ゆく(プロフ) - (名前)レンさん» コメントありがとうございます(^^)！うれしいです〜！すごく詳しいというわけではないんてすが、一時期通ってたことがあります（笑）でも作品中はちょっと脚色多めです（笑） (2020年10月19日 23時) (
レス) id: 26d964f28e (このIDを非表示/違反報告)
(名前)レン(プロフ) - はじめまして！いつも楽しく読ませていただいてます。主様地下アイドル事情にすごく詳しいですよね、昔どこかのファンだったりしたんですか？すみません、なんだか地下アイドルに興味出てきちゃって笑笑 (2020年10月19日 22時) (レス) id: 7ddd2a9a14 (このIDを非表示/違反報告)
ゆく(プロフ) - まリんさん» コメントありがとうございます(^^)！わたしも書いてて現場が恋しくなってます（ ; ; ）笑 これからも頑張りますのでよろしくおねがいします〜！ (2020年10月19日 8時) (レス) id: 26d964f28e (このIDを非表示/違反報告)
まリん(プロフ) - はじめまして！お話、とっても面白くて一気に読んでしまいました！！！オタクのノリが臨場感溢れてて現場が恋しくなりました（笑）構成も書き方も全て好みで最高です！！これからも楽しみにしています！！ (2020年10月18日 10時) (レス) id: a67cbb63c3 (このIDを非表示/違反報告)
ゆく(プロフ) - ぴおさん» ありがとうございます(^^)！そう言っていただけて本当にうれしいです（ ; ; ）ホシは動かしやすいので無自覚にウォヌを煽る要因です（笑）★5とてもとてもうれしいです〜！いつもありがとうございます！ (2020年10月18日 1時) (レス) id: 26d964f28e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆく | 作成日時：2020年10月12日 19時
