弟の日 ページ23
*
「環ぃ」
「んあ？」
「今日ね、弟の日なんだって」
平日の学校終わり、お互いに仕事がなかったため遊ぶことになった。大学の方が早く終わったから高校まで環を迎えに来て、今は目的もなくふらふらしている。
たまたまネットで見たことを話してみるが、彼は興味がなさそうに相づちを打つ。酷いなあもう。
「だから、パフェ奢ってあげる」
「まじ？やったー」
「どっか行きたい所ある？」
「王様プリンとコラボしてるとこ」
行き先が決まれば行動は早い。電車に乗って目的地にたどり着いたのはいいが、そこには予想外の光景がひろがっていた。
「めっちゃ並んでんな」
「ほんと、王様プリン侮ってた……」
「……並んでいい？」
子犬のようにしゅんとして、潤んだ瞳に勝てるはずもなく。きっと1時間弱は掛かるであろう長蛇の列の最後尾に並ぶことになった。
しかしまあ意外なことに、環と話すのが楽しすぎて体感時間は20分。疲れを感じることなく店内へ足を踏み入れた。
店員さんに事情を話して、出来るだけ他の人の視界に入らない席に座らせてもらう。
環はコラボパフェとソフトドリンク、わたしは普通のケーキセットを頼んだ。今か今かとそわそわする環の様子に頬が緩む。
「お待たせ致しました」
そう言って運ばれてきたパフェを食い入るように見つめる環。店員さんも思わず笑っていて私が少し恥ずかしくなる。
「ねーちゃん写真とって！」
「いーよー……はい3､2､1」
環のスマホで環を撮る。恐らくSNSにあげるだろうから、知識を振り絞って出来るだけ可愛く写るようにした。
スマホをポケットに押し込み、スプーンを手に取る。そのままゆっくりと、この瞬間を噛み締めるようにパフェを掬って、口へ運ぶ。
「ん〜〜〜！」
「美味しい？」
「めっちゃうまい！やばい！」
目を爛々と輝かせて幸せそうに笑う環。その姿が余りにも可愛くて、抱き締めたくなる。
今日は弟の日なんだ、いつも頑張っている環をとことん甘やかしてやろう。そう密かに決心して、自分もケーキを食べ始めた。
*******
皆様いつも閲覧ありがとうございます。お気に入り登録も評価も見たことがないほど増えていて驚きです(*^^*)
うだうだと続いていますが、今後ともこの作品をよろしくお願いします。
それと、3/6は弟の日らしいです。ギリギリアウトですね……。
らめる*
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ちえ - 環君誕生日おめでとう🎁🎂 (2023年4月1日 11時) (
レス) id: 0560ab194e (このIDを非表示/違反報告)
なぎ。 - あぁ…てぇてぇ…まじてぇてぇ…(語彙力消失)可愛すぎだろ！！ (2019年8月3日 13時) (レス) id: 2c3bf4091e (このIDを非表示/違反報告)
衣里(プロフ) - らめる*さん» はい、とても可愛いです (2019年3月2日 15時) (レス) id: 538d14058c (このIDを非表示/違反報告)
らめる*(プロフ) - 衣里さん» ありがとうございます、嬉しいです！環くん可愛いですよね……！ (2019年3月2日 15時) (レス) id: c8b5141a7a (このIDを非表示/違反報告)
らめる*(プロフ) - 夢花 (仮垢)さん» ありがとうございます！楽しんで頂いているようで嬉しいです(*^^*) (2019年3月2日 15時) (レス) id: c8b5141a7a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：らめる* | 作成日時：2019年1月15日 2時
