第１６話 ページ16
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不安そうな理の頭を撫でる。私も環も理の事を応援しているからと伝えると、少しだけ表情が和らいだ。
「君、そろそろいいかい」
「ええ。長く引き留めてしまって申し訳ありません」
やはり、この男は不気味だ。まるで何か野望を抱いているような……まだ夢を見ているような、不思議な目だ。
何だか得たいの知れないものに出会ったような気分になる。
「さあ、天、理、帰ろう」
「すみません九条さん、先に帰っていてください。忘れ物をしてしまったみたいで」
そうか、と男は納得した素振りを見せる。そのまま理の手を引いて歩き出したので、慌てて手を振れば理も振り返してくれた。
そして、取り残された私と九条天。彼は忘れ物をしたんじゃなかったのか、一向に動く気配がないのだけれど。
何となく、気まずい。相手はあのTRIGGERのセンターなのだ、緊張しない訳がない。
「あなた理の本当のお姉さんなんでしょう」
何の前触れもなく話し始めた彼。驚いて、ワンテンポ遅れて私も返事をする。
「そうですね、でも私にももう別の家族がいますから」
「そう……僕にもいるんです、弟が。あなたと同じで、戸籍は違うんですけど」
「……そう、だったんですね」
目を伏せて、片腕を擦るようにする。その顔にその仕草、どこかで見たような……。
その思考は、次の九条天の発言によって吹き飛ばされた。
「だから、ケータイ貸して」
「……はい？」
「だから、ラビチャ交換しようっていってるの。理の事心配なんじゃないの？」
「えっ、いや何で！？」
先程までの堅苦しい雰囲気はどこへやら。いつの間にか敬語も抜け、声も少しばかり大きくなる。流石に周りの視線も気になってきたから、1度落ち着くことにした。
「だから、あなたが理と連絡が取れないなと思ったの。僕とラビチャ交換しとけば緊急時とか伝えられるでしょ」
「な、なるほど。でもそれって天くんに利益なくない？」
「……七瀬陸の事教えてくれればいい。IDOLiSH7と交流あるんでしょ、四葉環の姉なんだし」
何故ここで陸くんが、と不思議に思ったが、確かに理との連絡手段がなくて困っていたのでありがたくこの案に乗ることにした。
ラビチャの知り合いに、もはや異様にも感じる九条天の名前が追加される。
後に陸くんの兄が天くんだと知った時に、こっちが本命だったのかと微笑ましくなったのは未だに本人に言っていない。
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ちえ - 環君誕生日おめでとう🎁🎂 (2023年4月1日 11時) (
レス) id: 0560ab194e (このIDを非表示/違反報告)
なぎ。 - あぁ…てぇてぇ…まじてぇてぇ…(語彙力消失)可愛すぎだろ！！ (2019年8月3日 13時) (レス) id: 2c3bf4091e (このIDを非表示/違反報告)
衣里(プロフ) - らめる*さん» はい、とても可愛いです (2019年3月2日 15時) (レス) id: 538d14058c (このIDを非表示/違反報告)
らめる*(プロフ) - 衣里さん» ありがとうございます、嬉しいです！環くん可愛いですよね……！ (2019年3月2日 15時) (レス) id: c8b5141a7a (このIDを非表示/違反報告)
らめる*(プロフ) - 夢花 (仮垢)さん» ありがとうございます！楽しんで頂いているようで嬉しいです(*^^*) (2019年3月2日 15時) (レス) id: c8b5141a7a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：らめる* | 作成日時：2019年1月15日 2時
