Four-leaf clover《2》

episode:47 ページ6

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『頭、あげてよ真一郎君
こちらこそ、信じてくれてありがとう』

と私が言うと、次は少し怒った顔で

「でも、あまり無茶はするな
守ってもらって文句言うなって思うかもしれねーが、オマエに何かあったら悲しむ人の気持ちも忘れるな」

と言った

『わかった、約束する』


「家族はもちろん、オレもエマもマンジローもすげぇ心配してたんだからな」


『…マンジローは違うでしょ』


そう私が薄く笑いながら返すと


「なぁ、Aがマンジローの事避けてる理由はさっきの話でよくわかったけど
今のマンジローとちゃんと向き合ってやってくれねぇかな…
アイツ素直じゃないだけで本当にAの事心配してて…Aの目が覚めた日の朝までずっと寝ずについてたんだよ…
流石に心配になって無理矢理家帰したけど…
目覚めたって教えた時もアイツ、本当は直ぐに会いに来たかったはずなのに
Aに嫌われてるからって今も遠慮して病院来ねぇし…
本当はAの事少しも嫌ってなんかないんだ…
図々しいってわかってる、過去にアイツがした事がなくならないのもわかってる、Aが傷ついた事も理解してる

でも、それでも、好きになれとまでは言わねぇ、せめて普通に話をしてやってくんねーかな…」

と再び真剣な顔で真一郎君が私に言った






…本当は、わかっていた

大人になった彼が酷いだけで、今の彼はいい人な事も
“気持ち悪い”と言った言葉が本心ではない事も

そんな事、本当は私が1番知っている
前の人生、ずっと彼を見て、想ってきたのだから


何もされてないのに嫌って、避けて、遠ざけた
前の様な惨めな思いはしたくなかったから
もう、傷つきたくなかったから
彼も私を嫌いなんだと、だから私も嫌いなんだと思いたかったのは自分だ


わかっている、今の彼は何も悪くない
わかっているのに彼を受け入れた先にまた同じ未来がやって来るのが怖い


それでも、前とは違う関係を築いていけるなら、その可能性にも懸けてみたいとも思う
人を嫌うというのはとても心をすり減らす行為だから


『…少し2人で話をしてみたい
明日、会えるかな？』


一歩踏み出してみてもいいんじゃないか
何か変わる事もあるんじゃないか
そう思いながら真一郎君に告げると


「おう！
明日、絶対連れてくる‼︎」

と真一郎君は嬉しそうに返してくれた



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