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8月になった
近頃真一郎君は愛機であるバブのメンテナンスに力を入れていて、その理由を尋ねると
“万次郎の誕生日にプレゼントするから”らしい
『そうなんだ…
きっと、凄く喜ぶだろうね…』
「だろー?」
と真一郎君が嬉しそうに笑っている
私はそんな真一郎君の後ろ姿を眺めながらぼんやりと前の記憶を思い出していた
当然この事は前の人生で知っていた
その頃の私は“いつか万次郎君の運転するバブに私も乗ってみたいな…”なんて淡い期待も抱いていたな…と思い出した
…そんな願い叶うはずもなかったのに
8月13日はもう目前まで迫っていて、私の知っている通りに進むなら今目の前の真一郎君がメンテナンスをしてるバブを盗みに圭介と一虎君が店に侵入する
そして真一郎君が鈍器で殴られる
前の私はこれ以上の情報は知らなくて、当時は真一郎君が居なくなってしまった事とその事に圭介が関わっている事に気が動転して何も考えられなかった
…どうにかしてこの日圭介が真一郎君のお店に盗みに入るのを止められないだろうか
そう考えるも、圭介は近頃遊ぶ事に夢中で私とはすれ違いの生活が続いている
私と圭介の仲が悪くなったという事は全く無いのだが、私が何か言ったところで余程の理由がない限り今の圭介は東卍を優先するだろう
…ならばもう何が起こっても真一郎君を守れるように8月13日はずっと真一郎君の側に居るしかない
『真一郎君、13日の夜ずっと私と居て欲しい…って言ったらずっと一緒に居てくれる?』
私は真一郎君の背中に問いかけた
「いーけど、オレ多分遅くまで店に居るぞ?
Aのかーちゃん心配しねぇか?」
『大丈夫!
お母さんにはエマの所に泊まるって伝えるから
…その日、真一郎君と居れるならなんでもいいの』
「…そっか」
真一郎君は何か言いたそうな目で私を見たが、短く返事をしただけだった
そうして迎えた8月13日の夜
私は真一郎君の店でじっと座っていて、真一郎君はバブのメンテナンスをしていた
「そろそろ帰る準備すっか」
『うん。お疲れ様』
そうして私と真一郎君は店の奥にある小さな部屋へと向かった
“このまま何も起きませんように”と祈っていたが、そんな祈りも虚しく
部屋の外から“ガシャン”と物音がした
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チョコプリン(プロフ) - コメ失礼致します!!作者様!どうかお大事にゆっくり過ごしてください😭いつまでも待ちますし本当に作者様がゆっくり過ごせる事を心よりお祈りしております😌💕 (2022年2月14日 8時) (レス) @page7 id: e53e09d499 (このIDを非表示/違反報告)
楓(プロフ) - 了解です!ゆっくり休んでください。待ってます♪ (2022年2月14日 7時) (レス) @page7 id: ef9e4cc349 (このIDを非表示/違反報告)
梅(プロフ) - チョコプリンさん» 初めまして😊コメントありがとうございます!嬉しいお言葉を頂きホクホクしております🥰ゆっくり更新ではありますが頑張りますので今後もよろしくお願い致します🙇♀️ (2022年1月18日 21時) (レス) id: f655379a06 (このIDを非表示/違反報告)
チョコプリン(プロフ) - 初めまして✨昨日発見しまして一気にここまで読んでしまいました!めちゃくちゃ面白いです🥰🥰🥰今後の展開楽しみに待っています💕 (2022年1月18日 10時) (レス) @page2 id: e53e09d499 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:梅 | 作成日時:2022年1月17日 15時