検索窓
今日:7 hit、昨日:11 hit、合計:40,833 hit

episode:08 ページ8

.




ついにやってきた稽古初日



真新しい道着に身を包み、仲良く手を繋いで“佐野道場”と書かれた看板を私達は見上げていた



「おぉ〜‼︎」


『…』



嬉しそうな圭介とは反対に、私の心臓は今にも爆発するのではないかという程に動悸が激しくなっていた




…また此処に来る事になるなんて
と思っても自分で決めた事なのだが




此処には確実に彼が居る
子供時代の彼ではあるけれど、それでも




『…こわい』



そう無意識に言葉にしていたみたいで
私の声が聞こえたであろう圭介が

「A、大丈夫か?
顔、白くなってる。…やっぱり辞めとくか?」


と心配そうに声をかけてきた



『心配かけてごめん。…大丈夫だよ。』



大丈夫。彼は興味が無いものは視界にすら入れない人だ。それが人間相手でも
目立たずひっそりと空気のように、常に彼から離れた位置で居れば大丈夫
彼を好きだったあの頃でさえ、私が彼の視界に入れていたのか怪しいのだから、今回はきっと大丈夫


そう自分に言い聞かせた後に
私は前を見据えて

『行こう』
と一歩踏み出した



それを見て何かを感じ取ったのか



「大丈夫。オレがついてる」


と言って、圭介は握っていた手を強く握り直してくれた




心が軽くなった気がした





ーーーーーー
ーーーー
ーー






結果的に初稽古は無事終了した


無事と言うには少し語弊があるかもしれないが、彼に関して言えば…の話で、私の心配をよそに彼は道場へ現れなかった



…そういえば、彼は真面目に稽古に参加していると言うより、気まぐれに訪れてはやりたい様に振る舞っていたな…と今になって思い出した



早くも数回の稽古に参加した頃、彼の問題とは別に新しく問題が発生した




『はぁはぁ、ゴホッ、く…くるしい…ッ‼︎』


こんな身体を動かすのは1度目の人生を含めても初めてかもしれない…すごく楽しい…でも、苦しい…

そう…体力がなさすぎて、練習について行けないのである



圭介は息一つ乱れずに楽しそうにしているのに



……私、こんな状態で強くなれるのかな?
……みんなを守れるようになるのかな?






もっともっと、頑張らなくちゃ

.

episode:09→←episode:07



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (51 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
154人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

(プロフ) - はなさん» コメントありがとうございます‼︎私自身もまだボンヤリとしか考えておらず、この先が気になっている1人です(笑)ゆっくりではありますが更新頑張ります(о´∀`о) (2022年1月4日 9時) (レス) id: f655379a06 (このIDを非表示/違反報告)
はな(プロフ) - 夢主がマイキーや稀咲、イザナとこの先どうなっていくか、続きが凄く気になります!!更新楽しみにしています(*^^*) (2021年12月31日 10時) (レス) id: 0c03d7cf6f (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名: | 作成日時:2021年11月11日 16時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。