Four-leaf clover

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目が覚めて数日経ち、9月も終わりに差し掛かった頃


一向に覚める気配のない夢に、私は薄々ここが夢ではなく現実だという事に気づき始めていた



記憶の中と変わらない毎日
見慣れた景色になんだか見た事があるような人たち



このまま何もしなければ、また同じ人生を歩んでいくのだろうか

何もできないまま大切な人をなくしてしまうのだろうか


そんなのは嫌だと心は叫んでいるのに、何をすれば未来が変わるのか分からずに悩み続け時間だけが流れていく



ただ１つ、確実に1度目と変わる事があるとすれば


2度目の人生では絶対に私は彼に恋をしないということだけだった




そんな事を考えながら過ごして迎えた夜



私の悩みを解決させたのは



圭介の
「オレ、空手やりてぇんだけど」


という一言だった



あ、そうだった
全てはここから始まったんだった



もし…もしも圭介が道場へ通わなかったらどうなるんだろう？
ここで圭介を止める事ができれば、それだけで全てが丸く治まるんじゃないか



そんな邪な考えが頭をよぎった時



“アイツらはオレの宝だ”


と嬉しそうに私に話してくれたいつかの圭介の顔が浮かんだ



本当に圭介は彼らを大切に思っていた
それこそ…命を掛けて守る程に


たとえその中に私がもう2度と会いたくないと願う人が含まれていたとしても


彼らと過ごした日々は圭介にとってかけがえのない時間だったのだから



…ダメだ。私のエゴで圭介の大切な出会いを奪ってはいけない



…周りを変えるんじゃなくて、自分が変わらなきゃ


じゃなきゃ、いざという時何も出来ない弱い自分のままだ


もう一度人生をやり直せるなら
大切な人を守れるぐらい強くなってやるって
そう思いながら私は死んだじゃないか



それなら、今の私に出来る事は１つだ




『私も、圭介と一緒に空手習いたい』



誰にも負けないぐらい強くなって
圭介も真一郎君もエマも
大切な人の大切な人だって




みんなみんな、次は私が守るから

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