episode:41 ページ48
.
『お待たせ、稀咲君』
「Aさん…」
『さ、帰ろうか』
「…はい」
日向ちゃんの手をひいて稀咲君の元に戻ると
心配そうに私を見つめる稀咲君が待っていた
安心させるようにいつも通りに振る舞えば
しぶしぶといった感じで稀咲君も歩き出した
3人での帰り道は始終私と日向ちゃんが話していた
もちろん話題はさっきの男の子の事で
“かっこよかったね”
“ヒーローみたいだった”
“あの子と友達になりたいね”などと2人で話していた
稀咲君は後ろでずっと私たちの会話を聞いているようだった
しばらくして先に日向ちゃんの家の前に着いた
『じゃあね、日向ちゃん
もう今日みたいな無茶はしちゃだめだからね
次も誰かが助けてくれるとは限らないんだから』
「はい!もうしません‼︎
今日は本当にありがとうございました‼︎
…あの!もしよかったら、これからも一緒に帰ってくれませんか⁉︎
あと、日向ちゃんじゃなくてヒナって呼んでください‼︎」
手を握りしめ、目をギュッと瞑りながら勢いよく日向ちゃんが発した言葉はとても可愛らしいお願いだった
『もちろんだよ!稀咲君もいいよね?』
「オレは…Aさんがいいならべつにいいですよ」
『ありがとう!稀咲君‼︎
じゃあ、ヒナちゃん‼︎…でいいのかな?
今度から3人で帰ろーね!
これからよろしく‼︎
あ!あと敬語じゃなくていいからね!
じゃーね!』
「うん!ありがとう‼︎
Aちゃん、稀咲君、バイバイ‼︎」
そう言ってヒナちゃんは帰って行った
稀咲君と2人になった
「Aさんはさっきの奴が好きなんですか?…ずっと褒めてましたよね…カッコいいって…」
2人になって少し歩いた所で稀咲君が急に私に尋ねてきた
『花垣武道君のこと?
好き…ではないけど、気になるかなぁ〜
あの子ね、私の大切な人に似てるの
私のもう1人のお兄ちゃんみたいな人なんだけどね、凄くかっこよくて大好きなんだぁ
だから、その人に似てるあの子が将来どんな大人になっていくのか気にはなるかな
…って言っても、もう会えるかどうかもわかんないけどね』
私は真一郎君を思い浮かべながら答えた
稀咲君はその後
「そうですか…ありがとうございます」
と返したっきり家に着くまで一言も話さなかった
そして稀咲君はその日以降、あまり塾に顔を出さなくなった
.
154人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「東京リベンジャーズ」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
梅(プロフ) - はなさん» コメントありがとうございます‼︎私自身もまだボンヤリとしか考えておらず、この先が気になっている1人です(笑)ゆっくりではありますが更新頑張ります(о´∀`о) (2022年1月4日 9時) (レス) id: f655379a06 (このIDを非表示/違反報告)
はな(プロフ) - 夢主がマイキーや稀咲、イザナとこの先どうなっていくか、続きが凄く気になります!!更新楽しみにしています(*^^*) (2021年12月31日 10時) (レス) id: 0c03d7cf6f (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:梅 | 作成日時:2021年11月11日 16時