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その日から約束通り私たちは毎日遊んだ
少ししてエマも一緒に稽古に参加する事になった
2人で居る時は笑顔も見せてくれる様にもなった
それでも時折寂しそうな顔を見せるエマに、私は思い切って尋ねた
『…やっぱり寂しい?』
「…たまにね」
困ったようにエマは言った
“たまに”とは言うものの、まだまだ寂しいんだろうと思った
『真一郎君達とは仲良くなれた?』
「…ふつうかな」
そう答えるエマを見て、“エマが心を開けば佐野家のみんなは受け入れてくれるのに”と思った
きっと時間が解決するのかもしれない
それでも、今目の前に居る彼女が寂しい思いをしているなら、一秒でも早くその寂しさを拭い去ってあげたいと思った
だって、私が知っているエマは2人の兄を心から大切にしていて、2人もエマを心から大切にしていたからだ
『ねぇエマ…
エマの新しい家族はね、すっごく優しくてカッコいい人たちなんだよ
だから、エマにもはやく好きになって欲しいと思う
このままエマが1人で頑張ろうとしても、きっと佐野家の皆が放っておいてなんてくれないと思うなぁ…』
少し、助言するつもりで言った
「…アイツも?」
『アイツって?』
「…まんじろう
だって、Aと話してる所見たことないもん」
エマがそう尋ねてきた
よく見てるなぁ…と感心しながら私は答えた
『もちろん、すごく優しいよ
少し素直になるのが上手じゃないかもしれないけど、きっと仲良くなれるよ
圭介も彼の事大好きみたいだし!
…ただ、私とは仲が良くないだけ』
何でもない事のように笑顔で答えた
「…そっか、わかった」
エマは短く返事をすると、それ以上何も聞いて来なかった
その事に安心していると
「…ウチはAのこと大好きだよ」
と照れ臭そうに私から視線を逸らして呟いた
その言葉に感激した私は
『〜ッ‼︎
嬉しい‼︎私もエマが大好き‼︎』
と思わずエマを抱きしめた
それが、“マイキー”と彼が名乗りだす数日前の出来事だった
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梅(プロフ) - はなさん» コメントありがとうございます‼︎私自身もまだボンヤリとしか考えておらず、この先が気になっている1人です(笑)ゆっくりではありますが更新頑張ります(о´∀`о) (2022年1月4日 9時) (レス) id: f655379a06 (このIDを非表示/違反報告)
はな(プロフ) - 夢主がマイキーや稀咲、イザナとこの先どうなっていくか、続きが凄く気になります!!更新楽しみにしています(*^^*) (2021年12月31日 10時) (レス) id: 0c03d7cf6f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:梅 | 作成日時:2021年11月11日 16時