傷まみれ、でもまた付けよう ページ10
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ブルーロックへ行ってからは毎日サッカー漬けの生活で、彼女のことを思い出す暇なんて一瞬もなかった。
…なんて言えたらよかったのに。
予想以上に引き摺っていた俺はふとした瞬間に彼女を思い出しては失恋を嘆いていた。
「…はぁ」
「何ため息吐いたんだよ、凪」
「玲王…」
「まーた思い出して落ち込んでんのか？」
「…別にー」
「赤息吐息か」
「青だよ、吐血でもしてんのかよバカ斬鉄」
「…知ってたけどな、ワザとだ」
そんな二人のやり取りを見ていればまたため息が出る。
ここまで後悔するなら、マジで伝えとけばよかった。
顔を会わせなくなれば簡単に好きじゃなくなるだろうと思っていたのに、そう簡単にも行かなくて。
「そんな後悔すんならやっぱ告っとけばよかったじゃん」
「俺もこんな後悔する予定じゃなかった」
「後悔後に立たずだな」
「先だよ、後から悔やむから後悔なんだろうがバカ斬鉄」
「またバカって言ったな」
「はぁ、もういいよ」
そう言って布団に潜る。
試合中にも彼女の存在を探してしまうし、ゴールを決めればあの喜ぶ顔が見たくなる。
ドリンクボトルを見れば小さな体で一生懸命運んでいたのを思い出してしまって。
サッカーをやる上で思っていた以上に彼女の片鱗がそこかしこにあって、忘れたくても忘れられなかった。
そしてそのまま、状況は変わることなく彼女と会わなくなってから半年程が過ぎていた。
「あ、凪くんだ！」
「本当だ、あのスーパーゴールの凪じゃん」
「見てたよ、U-20戦！」
久しぶりに登校すればU-20戦のこともあってか、やたら人に声をかけらるからめんどくさい。
「学校、めんどくさい…」
「凪、今日どうするよ？」
「何が？」
「部活、ちょっと顔出すか？」
「…マジで言ってる？」
「おう、マジマジ」
なんて楽しそうに笑う玲王は、半年の間に人の失恋話なんてすっかり忘れてしまったのだろうか。
「俺はいいや」
「…それでいいのか？」
「え？」
「お前このまま行くと、一生ズルズル行くぞ」
「…そのうち忘れるでしょ」
「普通なら失恋しても1ヶ月くらいすりゃ忘れんだよ」
「…知らないけど」
「半年間も引き摺るのは異常だ」
「言い方」
「こうなったらキチッと振られようぜ」
そう言ってまた笑うから、なかなかに酷い相方だなぁなんて思いながら玲王を見つめた。
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chiito(プロフ) - animestarmyu042さん» こちらの都合で申し訳ないのですが、今は別の作品を練っているのでまた気持ちがこちらの作品に向いたら書けたらなと思っております。気長に待って頂けると嬉しいです、よろしくお願いいたします…！ (3月13日 17時) (
レス) id: db14ec3e34 (このIDを非表示/違反報告)
chiito(プロフ) - animestarmyu042さん» 作品を読んでくださり、またそんなふうに言っていただきありがとうございます！いずれこの話の短編というか小話を書けたらと思って続編リンクを貼っておりました。なかなかいいアイディアが思い浮ばずこのままになっており申し訳ありません。 (3月13日 17時) (レス) id: db14ec3e34 (このIDを非表示/違反報告)
animestarmyu042(プロフ) - 続きが気になります。 (3月11日 21時) (レス) @page50 id: f7f1d51caf (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：chiito | 作成日時：2023年4月24日 21時
