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「…ってことになってて」
「…お前、何してんだよ」
「ね、何してんだろ」
「ね、じゃねぇよ」


これまでの経緯をすべて伝えれば、ため息を吐きながら頭を抱える玲王。


「…けど、好きって伝えてあるんだろ?」
「…いや。だってそんなことしたら振られるじゃん」
「お前なぁ…」
「だって絶対アイツのこと好きでしょ」
「そうかぁ?俺にはお前らがいい感じに見えてたけど」
「玲王の目って節穴なの?」
「人に相談してるやつの言動じゃねぇだろ、それ」


ファミレスでそんな話をしながらふと窓の外を見れば、まさかの話題の中心人物たちが歩いていて。


「見て玲王、あれ」
「…Aと翔、だな」
「…ほら、あれ絶対付き合ってるじゃん」
「けど手は繋いでる訳じゃねぇし、あの距離感ならまだ友達だろ」
「まだ、ね」
「いや、けど俺には本気でお前らいい感じに見えてたぞ?」
「だとしたら本当に節穴じゃん」


そう言いながら、思わず机に伏せる。
ショックだとか悔しさだとかで黒いドロドロとした感情が渦巻いていく。


「…そう思うなら、もう告白すれば良くね?」
「は?俺の今までの話ちゃんと聞いてた?」
「聞いてたよ、怒んなって」
「じゃあなんでそんな話になんの」
「ほら、俺らこれから合宿行くことになるだろ?」
「めんどくさいけどね」
「だからもう部活に行くことはしばらくなくなるだろうし。もし振られても気まずくなりにくいだろ」


なんて玲王は簡単に言うから、ムッとしてしまう。


「負け確なのに、玉砕しに行くとか無理なんだけど」
「それに関してはまだ分かんねぇじゃん」
「分かるって。明らかにあの二人いい感じだし」
「けど俺には凪とAの方がいい感じに見えるし」
「…そんなのアテにならない」
「でも意見の比率としては1:1だぜ?付き合える確率も50%ある」
「そりゃ答えはイエスかノーなんだから確率が50%なのは当たり前でしょ」


そう言ってジト目で玲王を見ればバレたか、と笑っていて。


「…けどさ、答えが分からずに悶々とするのも嫌じゃねぇの?」
「…そりゃ嫌だけど」
「きっとAも、中途半端な関係にモヤモヤしてると思うけど」
「…それは」


そう言われてしまえば、今まで自分は自分のことしか考えていなかったことを自覚させられる。


「お互いのためにも、関係ハッキリさせた方がいいと俺は思うぞ。さ、そろそろ帰るか」


それだけ言い残すと玲王は伝票を持ってさっさと行ってしまった。

あなたが被害者→←報われる日々を望むなんて厚かましいね



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chiito(プロフ) - animestarmyu042さん» こちらの都合で申し訳ないのですが、今は別の作品を練っているのでまた気持ちがこちらの作品に向いたら書けたらなと思っております。気長に待って頂けると嬉しいです、よろしくお願いいたします…! (3月13日 17時) (レス) id: db14ec3e34 (このIDを非表示/違反報告)
chiito(プロフ) - animestarmyu042さん» 作品を読んでくださり、またそんなふうに言っていただきありがとうございます!いずれこの話の短編というか小話を書けたらと思って続編リンクを貼っておりました。なかなかいいアイディアが思い浮ばずこのままになっており申し訳ありません。 (3月13日 17時) (レス) id: db14ec3e34 (このIDを非表示/違反報告)
animestarmyu042(プロフ) - 続きが気になります。 (3月11日 21時) (レス) @page50 id: f7f1d51caf (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:chiito | 作成日時:2023年4月24日 21時

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