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「俺さ、高校のときにAに好きって伝えなかったこと、ずっと後悔してた」
『…それは、私だって』
「だからまた会えるようになって、関係持つようになって正直かなり浮かれてた」
『……』
「もう後悔しないようにと思って、好きって伝えたけどAは毎回悲しそうに笑うだけだし」
『…それは、彼女いると思ってたから』
「うん、やっとその理由も分かった」
『けど、どうして私と翔が付き合ってるって勘違いしたんですか?』
「それは、抱き合ってるところ見ちゃったから」
『え』
「この間、Aの家の近くで」


そう言えば一瞬だけ何やら考えて、すぐに納得した表情になる。


『…あれは、そういうんじゃないです』
「告白でもされてた?」
『…まぁ、そんなところです』
「あれ見て妬いちゃった」
『…だからあんな手酷かったんですか?最後に会ったあの日』
「うん、俺ご乱心だった」
『…なるほど』


そこまで話をすれば、ようやくすべてが腑に落ちる。
俺たちは互いに酷く勘違いをしていたらしい。


『…あ』
「ん、まだ何か気になることある?」
『…どうして、今まで会いに来てくれなかったんですか?』
「え?」
『…どうしてあの日、すぐに追いかけてくれなかったんですか』
「…あー、それね」


いろいろな勘違いも誤解も解けたところで、その話に触れられる。
けれどプロポーズをする場所は自分の中で決めていたから、ここで言うわけにもいかない。


『…すぐに、会いに来て欲しかったです』
「それは…」
『ずっと、苦しかった』


なんて拗ねたような表情をするから、危うくすべてを打ち明けてしまいそうになる。


「ん、ごめんね。俺もちょっといろいろ頑張ってた」
『いろいろ?』
「うん。それはまた別のタイミングで話すよ」


そう言って苦し紛れに誤魔化すけれど、彼女は渋々といった表情で納得してくれた。


「…で?」
『え?』
「俺、何回も言ったよ。Aのことが好きだって」
『…っ』


そう言って、ようやく核心に迫る。

今までは好きと伝えても悲しそうな笑顔しか返ってこなかった。
けれどようやく信じてもらえたのか、彼女は顔を真っ赤に染めていた。


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chiito(プロフ) - animestarmyu042さん» こちらの都合で申し訳ないのですが、今は別の作品を練っているのでまた気持ちがこちらの作品に向いたら書けたらなと思っております。気長に待って頂けると嬉しいです、よろしくお願いいたします…! (3月13日 17時) (レス) id: db14ec3e34 (このIDを非表示/違反報告)
chiito(プロフ) - animestarmyu042さん» 作品を読んでくださり、またそんなふうに言っていただきありがとうございます!いずれこの話の短編というか小話を書けたらと思って続編リンクを貼っておりました。なかなかいいアイディアが思い浮ばずこのままになっており申し訳ありません。 (3月13日 17時) (レス) id: db14ec3e34 (このIDを非表示/違反報告)
animestarmyu042(プロフ) - 続きが気になります。 (3月11日 21時) (レス) @page50 id: f7f1d51caf (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:chiito | 作成日時:2023年4月24日 21時

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