【ブルーロック】勘違いも甚だしい - side 凪 -【凪誠士郎】

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「…玲王、俺にはもうよく分からない」
「は？結局告白はしたのかよ」
「…させてももらえなかった」
「…マジ？」
「マジ。Aにアイツと付き合ってるのか聞いたら肯定っぽかったんだけど」
「…お前、Aに何てこと聞いてんだよ」
「え、ダメだった？」
「話が拗れるからダメに決まってんだろ。しかも何だよ、肯定っぽいって」
「んー、よく分からない。けどあの翔ってヤツの話には違和感があって」
「あぁ？何じゃそりゃ」
「…何だこりゃ」


翌日、そう報告すれば玲王は不思議そうに首を傾げる。


「いや、こっちが聞きてぇわ。昨日のこと、洗いざらい話してみろよ」
「…帰りにさ」


そう言って会話のすべてを玲王にも伝える。

いまさら彼女との会話を思い出してみれば、誘導尋問のようでA自身の言葉ではなかったようにも思う。
そしてアイツの言葉の節々にも何か違和感があった。


「…って感じだったんだけど」
「…なるほどな、よく分かった」
「何か変じゃない？」
「変だな」
「けど何が変だったのかもよく分かんないし」
「…ま、頭の良さと恋愛偏差値は関係ないってことだな」
「答えになってないんだけど」


なんて玲王は面白そうに笑っている。


「とにかく言ってんだろ、俺には凪とAがいい感じに見えてるって」
「まだそんなこと言ってんの」
「俺は器用大富豪だからな、観察眼は長けてるぞ」
「どこがなの」
「お前ら絶対、お互いにいろいろ勘違いしてるだけだから」
「…どんな勘違い」
「それを俺が口出しすんのは野暮ってもんだろ」
「……」


玲王は含みを持たせる言い方をするだけで、何も教えるつもりはないらしい。


「…じゃあ、次のチャンスは卒業式だな！」
「…もしかして玲王、まだライバルリーのこと根に持ってる？」
「あ？何でそうなんだよ」
「ここぞとばかりに傷口に粗塩練り込みに来てない？」
「違ぇよ、そんなつもりないって」
「だとしたら恋愛初心者すぎでしょ」
「いや確実にお前より経験あるわ」


なんて玲王は言っているけれど、やっぱり彼女を忘れる努力をした方が早そうだななんて思っていた。


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