Cinderella (ページ1)

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脇目も振らず走っていた。

ただ必死に。

後ろから私を怒鳴る声と無数の足音。

捕まったら殺される…
そう思って死ぬほど走った。

路地裏に入るために
曲がり角を勢いよく曲がると男の人とぶつかった。

？「いってぇー…、危ないだろ」

その声に見上げれば
ガタイのいい、スーツを着た男の人がしかめっ面で立っていた。

でも、こんなところで油売ってる暇はない。
また走り出そうとしたら腕を掴まれた。

？「人とぶつかったらごめんなさいって学校で教わらなかった？」

『ごめんなさい、本当にすみませんでした！』

謝っても解放されることはなく、ずっと掴まれていた。

『あの、本当に！離してください！！』

後ろの追手を確認しながら私は必死に腕についてる手を振りほどこうとする。

でもガタイのいい男の人に、チビの私の力は微力すぎた。

？「ここ、血出てるじゃん」

『いや、大丈夫ですから、離して！』

姿は見えないものの追手の声が聞こえて
私は焦って、力尽くでもまた走り出そうとした。

でも掴まれていた腕を引っ張られて
気づけば、さっきまで私を説教していた男の人の腕の中にいた。

『ちょっ！』

？「静かに！」