花の日にうまれた君に

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side:D



人一倍人懐っこいおおにっちゃんは
それこそ廉とか文一くんとか正門とか
いろんな人と仲いいし可愛がられてる。

こうやって俺がすきすき言いまくるのだって
他の人よりもっていう欲があるからで、
だからおおにっちゃんがスキンシップとるのだって見慣れてるし当たり前で、なのに、


"恭ちゃん"


ってその響きが、まるで自分の居場所を取られたようで。


「流星！」

『へ...？』


気づいたら俺は部屋から出ていこうとしてるおおにっちゃんの腕を掴んでいた。


『何？大ちゃん』

「え、...あ、いや、」


不思議そうにきょとんとこちらを見るおおにっちゃんと高橋。
もちろん咄嗟に掴んだだけの俺は、何か用事があるわけでもなくて。


「なんでもない。練習、頑張って。高橋も」

『...？うん、大ちゃんも頑張って』

恭『ありがとうございます』


そう言って2人は俺の不可解な行動に目を見合わせて、今度こそ本当に部屋を出ていった。


康『どしてん、大ちゃん』

「や、わからん。なんか、」


なんか、落ち着かない。
すごく、惨め。


康『はっはーん！さてはヤキモチやな！そんなに流星と組違うん嫌なんか！』

「はは、」


そうかも。
だってなんか、公演中にあった2人でのユニット曲は
高橋と歌ってて、それがなんとも言えない気持ちにさせる。

俺が魔法をかけたのは、何のためやった...？


康『おーい、大吾？』

「.....、なぁ、康ちゃん」

康『おん？』

「今までおおにっちゃんはさ、俺らしかおらんかったやん」

康『...？』

「小さい時に入ってきて、1人年離れてたけどユニット組んで、やってきてた」

康『そやな』

「けど、今は」

康『それはちゃうんとちゃうかなぁ』


今は高橋も道枝も長尾もおる。
もっと歳の近い同年代と夢が見れる。
そう言おうと思ってたのに、その言葉をいう前に
遮られた。
俺が何言おうとしたか、わかったんか。


康『確かに仲間は増えたけど、そこから大吾が抜けたわけちゃうやろ』

「そうやけど」

康『そんなん本人言うてみ？口聞いてもらえんくなるで。流星だって俺らと離れて今寂しいんやろ、やし今日もわざわざこっち顔出したんちゃうか』

「.......、そう、やな」


何考えてるんや、サイテーやな。ほんま。
一緒に夢叶えるために気持ち抑えてんのに、
その夢さえ一緒に見れなかったら、なんて。
みんな本気で頑張ってるのに。

でも、けどな、


康『ほら、俺らも練習行くで』


ほんまはここに、閉じ込めたい、




＊

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