13 ページ13
side:R
1人先にお店を出たのは明日も公演があるし、僕が一番家まで遠いし、明日はクマなしで挑みたいし、色々あるけど
『ーー、あつ、』
この火照った頬をおさめたくて、
早く夜風にあたりたくて。
『寒いのに、暑い。...ふふ、変なの』
12月の夜はシンとするほど寒くて、それなのにほっぺたの熱はおさまらへん。
だって、気づいてしまった。
わかってしまった。
ううん、ほんまは前からわかってた。
だって、
いつの間にか大ちゃんに上手に甘えられなくなったのだって、
大ちゃんのすきに同じように返せなくなったのだって、
おふざけのちゅうを避けるようになったのだって、
全部ぜんぶそうやったんや。
昔から可愛がってくれる先輩がいつの間にか他の人よりずっと大切になっていた。
尊敬も感謝もしてるけど、その中にいつの間にか違う気持ちがあって、でも、それは僕にはよおわからんかったから。
ただ、先輩からの後輩を可愛がるその気持ちに、同じ気持ちじゃないことが、少し、後ろめたくて。
僕は大ちゃんにうまく甘えられん時が出来た。
すきって言われても同じ数すきって返せなくなった。
おふざけのちゅうをなるべく避けた。
『流星もドキドキしとるよ』
あの時大ちゃん辛そうな顔しとった。
きっと後悔してたんやと思う。
でもちゃうよ。大ちゃん。
一緒なんや。
はやく伝えたい。
大ちゃん、会いたい。
ーー、そう思う気持ちとは裏腹に、
ここから大ちゃんと会えない日が続いた。
ずっと返ってこない連絡になんだか気持ちも疲れてくる。
大ちゃんの公演見に行った時も、大橋くんと大ちゃんが見学に来た時もふたりになることを避けられてる気がする。
みんなの前では普通やし、流星にも普通やし、それやのに気づいたらもういない。
『ーーー、ふう、』
なんか、疲れてきた。
このままずっとこんなんなんかな。
恭『流星くん！』
『へ...？ぅわっ、』
タタタ、と軽快な足音と共に飛びついてきたのはアホの恭平で、ちょっと、いやかなり意外で動揺する。
『もーっ、何！？』
恭『何ってハグですよ！元気の出るハグ！』
『びっくりするやん！』
恭『流星くん元気ないって斗亜が、な！』
斗『心配です』
『斗亜ちゃーん』
恭『大吾くんの代わりにはならんけど、挨拶のハグしましょ！』
『わけわからん！斗亜ちゃんとはする！』
斗『やった！』
ふたりにぎゅうぎゅうに潰されて、笑ったけど、
頭ん中は大ちゃんでいっぱいやった。
＊
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 162人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
sN(プロフ) - この時代から大西畑知ってたのが羨ましい過ぎます！全部読みました、めっちゃよかったです！ (2022年1月9日 3時) (
レス) id: d941955413 (このIDを非表示/違反報告)
ちゆ(プロフ) - フジモンさん» コメントありがとうございます(*¨*)何かのセリフのつもりでは書いてないんですけどもしかしたら何かと被ってるかも知れません(>_<)世界で一番好きって言うのが在り来りな表現やけど、ってニュアンスで西畑さんは使ってます (2018年9月5日 7時) (レス) id: d82cf62acc (このIDを非表示/違反報告)
フジモン(プロフ) - 突然コメント失礼します(><)思わず泣いちゃいました！少し気になったのですが西畑大吾世界で一番のセリフ何かの番組ですか？ (2018年9月5日 0時) (レス) id: 100b4d70ff (このIDを非表示/違反報告)
ちゆ(プロフ) - えりなさん» コメントありがとうございます(*¨*)そんな風に言っていただけて嬉しいです！よければ最後まで楽しんでもらえればと思います！！ (2018年6月9日 19時) (レス) id: 9c3d0dd1e0 (このIDを非表示/違反報告)
えりな - だぁ(*∩ω∩*)言葉にならない感情が心の底から溢れ出てくる！！キュンキュンします！素晴らしい作品に出会えました！更新頑張ってください(*^^*) (2018年6月9日 7時) (レス) id: ca05f7c3fa (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ちゆ | 作成日時：2018年5月6日 0時
