花の日にうまれた君に

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side:Yoshinori



目の前で突然おこったキスシーンになんでか俺がドキドキする。
ここ、外やねんけど！
収録中とか楽屋でふざけてやってるのは見慣れてるけど！

店員さんとかほかのお客さんに見られてないか、そわそわ辺りを見渡す。
ありがたい事に誰も気にしてないみたい...て、そうじゃなくて！


正『お前、何して...』


大西さんは今そのキスで悩んでるっていうのに...！


廉『手、あててみ。自分の胸んとこ』

『え...？』

廉『ほら！』


廉が大西さんの手首掴んで、心臓のところまで持っていく。


廉『どう？ドキドキしとる？』

『えっと...』


大西さんは自分の胸のところキュッて掴んで、目に見えてじわじわ赤くなっていく。


『して、ない』

廉『.....、それ、大吾に教えてあげたらええんちゃう？』

『でも、僕男やし。大ちゃんも、男やし。それっておかしない？』


不安そうな表情に、俺も心臓掴まれる。
薄々、そうかもとは思ってた。
少なくとも大吾は流星の事そういう風に好いてるんじゃないかって、けど、それを俺から聞くことはなかった。
だって、もしそうやったら、


正『おかしない』


俺は2人のこと知ってるし、応援するけど、みんながみんなそうじゃない。
きっと嫌な思いすることも出てくる。
やから、無神経に聞くことなんか出来んかった。


正『おかしないよ。でも、ちょっとでも違うって思うんやったらやめた方がええとも思う』


恋愛は自由って言いながら、世間の目はそうじゃない。
仮に関ジュん中にそういう考えのヤツがいても、俺はそいつを否定することも出来ひんから、


正『もし、大西さんがほんまに大吾のこと特別やって思うんやったら、アイツのこと助けたって』


今きっと、大西さんが悩んでる何倍もアイツは悩んでると思うから。
大西さんは、ぼーっと俺のこと見たあとに、力強く頷いて、


『今日はもう帰ります！』


そう、晴れやかな笑顔で店を出ていった。
結局どういう風に結論が出たかは言うてくれなかったけど、悩みは吹っ飛んだらしい。


廉『すごいなー、大西さんは』

正『ほんまやな、あれが若さなんかな？』

廉『さあ...、てか正門と俺と二人って何気にレアちゃう？』

正『確かに。...てか、廉は平気なん？男同士とかそういうの』

廉『俺に聞く？大西さんにキスできちゃう俺に』

正『ほんま、お前ここ外やで。びっくりしたわ』

廉『.....あーあ、俺の方が先やったのに』


何が、って聞くのは野暮すぎてやめにした。




＊

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