思い出はいつの日も雨。【赤】

5 S.S ページ5

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あっという間に

Aちゃんの住んでる

アパートの前



せっかくキンチョーとけたんにな



……なんでやろ、

まだこの子と話したいな



渋「……もう少しだけ」



渋「ドライブせえへん？」



目線を向けると

うつむいてコクンと頷くAちゃん



ドキッ



思わず胸が高鳴る



顔真っ赤やん、かわええな



もう一回車を走らせる



渋「どんな仕事してるん？」



A「CDショップで働いてます」



渋「ほんまに！？レコード置いてある？」



A「中古で沢山置いてありますよ♪」



CDショップで働いてるとか！



テンション上がってまう 笑



渋「なぁなぁ、今度お店行ってもええ？」



A「ダメです！」



渋「なんでなん！？」



A「渋谷さんが来たら店内パニックになります！笑」



渋「大丈夫やて！」



渋「ヅラかぶるし！」



A「………ぷっ」



A「ヅラかぶっても絶対ダメです」



そう言うてクスクス笑てる



……さっき、

なんで雨ん中

あんなボロボロな顔してたんやろ



めっちゃ気になるけど

なんとく聞けへん



時計を見ると午後10時



渋「……そろそろ行くか？」



A「……はい」



そんな寂しそうな声出すとかアカンて



Aちゃんの住んでる

アパートの前に車を停める



ザァー



雨の音が響きわたる車内



「「あっあの！」」



え？



同時に声出すとか…



思わず顔見合わせて



渋「フハッ」



A「ふふっ」



渋「先言うて！笑」



A「いえいえ、お先にどうぞ 笑」



お互い何度か譲り合って



渋「ほな先に言わせてもらうわ 笑」



A「はい 笑」



渋「……嫌やったらええねんけど、」



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渋「……連絡先交換せえへん？」



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目ぇ見開いて

驚いた顔で

俺を見るAちゃん



それ見て



あぁー、ダメなんか



A「ふふっ」



A「私も同じこと言おうと思ってました！」



そう言うてニコッて笑てる



あーこの子の笑顔

めっちゃええわ



*******



……人見知りで

警戒心が人一倍強い俺が



自分から連絡先交換したんは

おまえが最初で最後や



雨の日はいつも思い出す



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この日の心地よい雨の音と、



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Aの笑顔を



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