千年の冬のような恋 2【松野千冬】 (ページ9)

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踏み絵ページ9

芭流覇羅のアジトだと思われるそこに足を踏み入れると多くの人だかりの中に探していた人影。

貴方「タケミっち!やっぱりここか!」

芭流覇羅の特攻服を着た両の手の甲に罪と罰と描かれた奴は私を見ると目を細めた。

コイツは確か元・愛美愛主の奴だったはず。

名前は半間修二

貴方「私の独断だけど、タケミっちを拐いに来た」

武道「ユウちゃん」

半間「これで証言者が2人だな」

半間の言ってる意味がわからず視線を別の場所へ動かした。

そこには場地くんが誰かを殴り続ける光景があった。

貴方「場地くん!その人って……」

見間違いなんかじゃない、千冬さんだ。

場地「あ?ユウじゃねぇか」

貴方「こんなことしてどうするの?」

半間「知らないの踏み絵だよ、ソイツを殴り続けて合格するまで殴り続けられるか」

私はあまりの光景にその場から動けなくなった。

場地「ユウは帰ってろ、いや……お前でもいいな」

貴方「え?」

気がついた瞬間には私は場地くんに殴り倒されて顔を何度も殴られた。

貴方「うっ…ぐっ!かはっ…」

武道「場地くん、ユウちゃんには手をあげちゃ……」

場地「忘れたか?俺は昨日をもって東卍を抜けた、だから今更コイツを守る必要もない」

貴方「ぐあっ…場地、くん」

場地くんは表情を変えずに私を殴り続けた。

半間「もういいよ、合格だ」

私は朦朧とする意識の中千冬さんを見た。

私と同じぐらいひどい顔になった彼を見て胸を締め付けられた。