千年の冬のような恋【松野千冬 番外編7】

文化祭デート4 ページ37

場地「お前が顔真っ赤にしてどうすんだよ」

千冬「だって……」

俺が言い訳を色々と考えていると少し遠くから子どもの泣き声が聞こえてきた。

場地「なんだ?」

千冬「この声……まさか」

俺は声の聞こえる方へ走った。

ーーーーーーーーーーーーー
その少し前ーー

九井「姫さん、やっぱ似合うな」

乾「俺たちの選んだやつにして正解だった」

貴方「お兄ちゃん可愛いって言ってくれるかな?」

そう俺を見上げてくるユウはものすごく可愛い。

ユウの着てる衣装の設定は『酒場を営む町娘』となっている。

九井「そして本当はお金持ちの行方不明になってた1人娘っていう設定な」

乾「俺はその事実を知ってる司祭つまりは神父の設定だ」

九井「俺はその町娘の幼馴染の設定だな」

貴方「2人の想像力には驚かされます」

乾「けど松野のことだ、可愛いって言うと思うぞ」

俺がそう言うと嬉しそうに笑う。

しばらく歩いていくと松野がやっているクラスの近くまで来た。

九井「えっと松野のクラスは…」

ココがパンフレットを再度確認すると後ろから突然

？「がおーー!!」

3人「うわっ!」

男1「すげー、驚き!」

男2「意外とお面だけでも驚くんだな!」

男3「大丈夫ですか?」

どうやらお化けのお面で俺たちを脅かして楽しんでるみたいだ。

乾「びっくりした」

九井「ノリがまさに中学生だ」

俺たちはホッとしていたがユウは俺にしがみついて震えている。

九井「姫さん、大丈夫か?」

乾「お化けじゃなかったぞ」

貴方「……ｸﾞｽﾞｯ」

どうやらいきなり驚かされたのが怖かったらしくそのまま泣き出してしまったらしい。

九井「姫さん、大丈夫だから落ち着けよ」

乾「松野に会わせるどころじゃないな」

ユウの髪の毛を撫でながらそう呟く。

？「テメェら!」

そう声を荒らげて来たのは吸血鬼の衣装を着ている松野だった。

千冬「呼び込みしに行ってどんなことすればユウちゃんが泣くことになるんだよ!」

その後ろには場地もいてため息をついている。

場地「ちょっと待ってろ」

そう言って場地は何かを思いついたらしく教室に戻った。

千冬「ユウちゃん、おいで」

松野がそう優しく声をかけると俺にしがみついていたがユウは松野に抱きつく。

千冬「よしよし…怖くない」

そう言って松野はユウの髪の毛を撫でながらこう言う。

千冬「泣いてたら折角の可愛い顔が見えないよ…俺好みの格好してるのに…いつもの可愛い笑顔俺に見せてよ」

文化祭デート5→←文化祭デート3

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す