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私の声を遮って、彼が強く名前を呼んだ。
それから、深く頭を下げた。
「この度の任務での行動、誠に申し訳ありませんでした。自分勝手な判断で戦況を悪化させた上に、隊長に怪我まで負わせてしまって……」
そこまで言って、彼はグッと声を詰まらせた。
そんな彼を見て、私はフッと笑った。
気持ちは十分に伝わった。
顔を上げるように促すと、頭こそ上がったものの目線は下がったまま。
任務の最中は、帰ったらあれこれ言ってやろうとモヤモヤを抱えていたが、今はもうどうでもいい。
彼の無事を確認できたし、何より今の姿を見れば私の教えは半分くらいは届いたんだろうと思えるから。
だから、俯かなくていい。
また笑って、日々を過ごしてほしい。
そんな思いを伝えるべく、私は丁寧に言葉を紡ぐ。
『確かに、あなたの行動は褒められたものではありません』
一瞬、新兵さんの顔が歪む。
私は、すぐに言葉を続けた。
『けど、あの時誰よりも先に船へ走り出したのは貴方です。あの場で、誰もが迷っていたのに、貴方は恐れず飛び出して行った』
兵士にとって、慎重さが求められることはあっても躊躇や躊躇いがあっては命取りになることがある。
けれど、それを自分の心から切り離すのは難しい。
長年のキャリアがある兵士だって、簡単にできることじゃない。
戦場で相手に飛び込むことが出来るのは、それはそれで才能なのだ。
『誰にでもできる事ではないです。あなたのその勇気を、私は誇りに思います』
「A隊長……」
ニコッと笑うと、新兵さんも表情が柔らかくなった。
これから先の彼の活躍が楽しみだ、と思ったのは私だけの秘密。
ふと、目線を横にやると面白くなさそうにショッピさんがジトッと睨んでいた。
えぇ……なんでそんな顔してるんですか。
さっきまで、あんなに良い笑顔だったのに。
心なしか黒いオーラも見えてきて、私は慌てて話を続けた。
『これからきっと、偵察部隊の兵士として任される仕事も増えてきますから、ビシバシ鍛えますからね。覚悟してくださいよ！』
「あ、A隊長。その件なんですか……」
予想に反して冷静な彼の声が、私の勢いを制止する。
元気な返事が聞けると思っていた私は、なんとも間の抜けた顔をしてしまった。
一呼吸おいて、彼は照れた様なそれでいてどこか寂しげな表情で話し始める。
「俺、明日付けで偵察部隊を抜けることになりました」
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双葉ちほ(プロフ) - #よにん。＠変人同盟さん» コメントありがとうございます！私もセレーナはお気に入りなので、嬉しいです♪ (2020年7月27日 17時) (
レス) id: 7ddb6147f4 (このIDを非表示/違反報告)
#よにん。＠変人同盟(プロフ) - セレーナちゃんちゅきだわ、、、気持ちわかるよ (2020年7月26日 21時) (レス) id: 56651a4ea9 (このIDを非表示/違反報告)
双葉ちほ(プロフ) - ああかさん» ありがとうございます！嬉しいお言葉……！更新、頑張りますね（笑） (2020年7月26日 17時) (レス) id: 7ddb6147f4 (このIDを非表示/違反報告)
ああか - うわぁ、、めっちゃいいです、、好きです。更新楽しみにしてます (2020年7月26日 0時) (レス) id: 0ba4941a1e (このIDを非表示/違反報告)
双葉ちほ(プロフ) - よにん＠変人同盟さん» ありがとうございます！そう言っていただけて嬉しいです。 (2020年7月23日 17時) (レス) id: 35884a095a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：双葉ちほ | 作成日時：2020年7月2日 18時
