キミの笑顔をボクだけに (ページ15)

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ー１５ーページ15

赤

濵ちゃんから受け取った紙には

＂重岡くんへ

重岡くんのこと何も知らずに勝手な事言ってごめんなさい。

だけどまた勝手な事を言います。

僕は重岡くんと友達になりたいです。

明日学校で待ってます。

神山智洋＂

と書かれていた。

「......ほんまに、勝手なやつやな。」

なんで俺なんかと友達になりたいん？

こんな、弱いやつと。

今でも聞こえてくる。

＂あんたの笑顔は人を不幸にさせるのよ＂

と言う母親の声が。

小さい頃、両親が離婚してまだ小さかった俺は母親に引き取られた。

母親は俺の世話を必死にしてくれていた。

でも、母親は恋愛体質なのか男をつくっては別れ、またつくっては別れを繰り返していた。

いつも男の方から別れを告げられていたらしい。

その理由は

子供がいるから。

何度も同じ理由で別れられ母親も相当ストレスが溜まっていたのか

ある時から俺は暴力を振られるようになった。

暴力を振りながら母親は必ずこういった。

＂あんたなんか産まなきゃ良かった＂

＂あんたの笑顔ムカつくのよ＂

＂あんたの笑顔は人を不幸にさせるのよ＂

今思えばただの母親のストレスを俺で発散していたのかもしれない。

本当はそう思ってなかったのかもしれない。

だってそれまではずっと

＂大毅の笑顔は世界一可愛いわよ＂

って言ってくれてた。

中学生の時、その時はまだ笑えていてクラスでも人気者やったと思う。

それをよく思ってなかったのか、ある１部の奴らが俺をいじめてくるようになった。

ある時、

＂お前の笑顔キモイんだよ＂

と言われた。

その時、母親の声も聞こえた。

＂あなたの笑顔は人を不幸にさせるのよ"

と言う声が。

そして、俺は思った。

俺が笑わんかったらこんなに苦しまんでええの？

俺が笑わんかったら母親にもクラスメイトにもこんな思いさせずにすむん？

だったらもう笑うのをやめよう。

その日そう思った日から俺は笑わなくなった。

最初の頃は笑わないようにしていたが気づけば笑えなくなっていた。

今ではどうやって笑うのかも忘れた。

......俺やって、ほんまは笑いたい。

でももう

どうしたらええんか分からん。