山田家長女と入間家長女の日常 6

212日目 ページ19

一椛side






蘆笙「山田一郎の妹なん？！？！」





そう大きい声で驚く蘆笙さんと「まじかぁ」と小さい声でこぼす簓さん。関西の人でもやっぱりいち兄のこと知ってるんだなぁ、流石元TDD。と、関心が3割で言わない方が良かったかなって思うのが7割。


言わない方がっていうか言っても信じて貰えない気がしてならなかった。だって中学でもそうだったし、似てないって言われるのがオチだし。





一椛「あー……あんまり、似てないですよね」

蘆笙「あ、いや、その……」

一椛「よく言われるんで。気にしないでください」





困らせないようそう笑顔で答えるとものすごい気まづそうな顔で笑う蘆笙さん。それに、ね、山田一郎に妹がいたなんて関西の人は知らなくて当然でしょ。


別にあたしがテレビに出るわけでも、二郎達みたいにバトルに出るわけでもないし。


知ってるのはいち兄と関係を持っている人か萬屋に来てくれた人、または二郎のお友達かいち兄と二郎のおともだち(意味深)。


だけら蘆笙さんがそんな気まづい顔しても別にって感じなわけで。助けを求めるようにチラッと簓さんの方へ目をやる。


が、なんという事だ。それはどういう表情なの。待って待って。その、え、あの、無表情なのかな？？？相変わらずの狐目でぼーっとこちらを見ていた。





一椛「さ、簓さん？あの、ど、どうかしましたか」

簓「……ん？何がや？」





何がとは！！！こっちが何が？って感じなんだけども？！？！え？え？？？あ、今もかして違う世界いってた？？？なーーるほどね！うん！おけ！わからん！！



簓さんの無表情と蘆笙さんの気まづそうな顔。この状況を抜け出すにはどうするべきですかね。道のど真ん中で立ち止まり途方に暮れていた時。


聞き覚えのある嫌な声があたしの名前を呼んだ。





「あ、山田一椛じゃん」




そういえばまだいたな。あたしがいち兄の妹であることを知ってる人。




「え、なに？まだ山田一郎の妹って言って回ってんの？相変わらず痛いね？？」




中学の時の同期。

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