ショートストーリー 〜水溜りにうつる空〜

先生 (トミー) 5 ページ9

次の日、また先生の授業が始まった

放課後の勉強会…ではなく
普通の授業

でも、私は昨日の富永先生とのことを
思い出すと、なんだか顔も見れなくて…

授業中に不意に目が合っても思わずそらしてしまう

昨日は、私が泣いていたのを気にして
富永先生が色んな話をしてくれた

好きな食べ物の話だったり
ゲームの話だったり、美味しいレストランを
教えてくれたり。

それに加えて、私が苦手な所をまとめたプリントを
作っていてくれていて、そのプリントは
私の苦手な問題のまとめプリントのようなもので
プリントのすみには、先生が手書きで分かりやすいように解説を丁寧に書いていてくれていた。

本当に富永先生には
頭が上がらない。

「今日はもうこれくらいにしとくか〜
みんなお疲れ、寝ててもいいぞ」

他のクラスより授業数が多く
いつもより早く授業が終わった。

時間はあるし、先生から貰ったプリントを
進めようかな、と思い
プリントを机の上にだすと、
目の前に富永先生がしゃがんでいた

そう、昨日みたいに

富永先生は、ふっと小さく笑って

「A、今日も勉強しにくる？
色々まとめたプリントまた作ったんだけど」

と優しく問いかける富永先生に
また胸が高鳴る

「先生さえ迷惑じゃなければ
よろしくお願いします」

そう言うと富永先生は、迷惑じゃねぇって
と、いつもみたいに私の頭を優しく撫でた。

好きだなぁって気持ちが溢れる瞬間

授業の終わりを告げるチャイムが鳴り
富永先生が、じゃ、と私にだけ聞こえる声で
そう言い残して、教室をでた。

昨日はあんなこと言われて
行こうか行かないか物凄く迷ったけれど

先生に、会いに行こう

私だって、入学式の日から
富永先生のことが…

そうこう考えているうちに、あっという間に
放課後になった。

昨日のことがあったので、足取りは少し重い

でも、休み時間のうちに
必死で先生のまとめプリント
終わらせたし、本当に合ってるかどうかも
確認したい。

…でも…あの子にまた何か
言われるんじゃないか…

富永先生と彼女が、仲良くしているのを見て
苦しくなる自分もいるんじゃないか…

そんなことを思っているうちに
いつの間にか、いつもの教室の前についてしまった

「なに、あんたまた来たの？」

教室の目の前には、あの彼女の姿があった

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| 短編なのに長くてすみません！ |
| もうすぐで結末です…！！ |
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