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「……バーボン、ライ、スコッチ。
ちょっと手伝って欲しいのだけど」
任務の内容を説明して、まだ時間は大分あるしどうしようか、と考えていたであろう彼らに、私は呼び止めた。
なんです、といいながらちゃんと私の方へ来る三人に、携帯を取り出し、彼らに見せる。
“ワンちゃんが盗聴器とGPSをつけたみたいだから見つけてくれないかしら”
首を縦に振り、私の背後で確認するのを背中に感じながら、前を自分で探す。あのワンちゃんったら。
ポケットに手を入れれば、一つの機械…GPSが出てくる。ライが襟に付いていたであろう機械を私に渡すと、それは盗聴器だった。
「付けた相手は分かっているのか」
さっきまで会っていたのはAだけなのだから、彼女しかいないだろう。
「ええ。ねえ…A、犬は大人しく従ってればいいって分からないかしら。
聞いてるなら電話かけなさい」
聞いたらしく、きちんと電話をしてくれる彼女。画面に表示されているAの文字を見て画面をタップする。
「さっきぶりね、ワンちゃん。
よくもおイタをしてくれたものだわ」
《うっ、シャロン…。
あ、まだキスマ残ってる?》
「残ってるわ…じゃなくて‼今はその話をしたいんじゃないわ」
《…えっ、じゃあ首の噛み痕が私ってバレたとか?》
「それは____ってはぁ、一向に話が進まないから貴方静かにしてなさい」
《はは、ご主人様の仰せのままに》
少し咳払いをしてから、電話の向こうでじっと待てを食らって待っているAを思い浮かべて吹き出した。
「…っふ、盗聴器とGPSを付けたのは貴方だって分かってるんだから」
《うん、愛ゆえにね。ちなみに最初の“っふ”って何で笑ったの》
「犬が待ってる姿ね」
《ご期待に添えてワンとでも吠えたらいいの?》
「あら、うるさく吠える犬は嫌いよ」
《んー、私もそこまでは吠えるつもりはないかな》
ん"ん"、と近くで笑いを堪えるウイスキー三人組を横でチラッと見ながら、Aに問う。
「どう?私のこと嫌いになった?」
《は?組織に入ればシャロンと毎日会えるじゃんって思うくらいには私はシャロンを愛してるけど》
「変わらないようで何よりよ。心配して杞憂だったみたいだわ」
《あはは、心配してくれたんだ?私がシャロンを嫌わないか。…ほんと杞憂だね。天が落ちてくるんじゃないかってのと同等な位には心配しなくていいよ》
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琥珀糖君@らびまるもしもちゃん推し - 夢主ただの変/態レズビアンすぎてもはや笑うしかない。(失礼)でも私の好みという。好き。(唐突な告白) (2023年3月30日 13時) (レス) @page6 id: 6f9faa66b6 (このIDを非表示/違反報告)
ゆう - やばい!ドキドキが止まらない!!続き楽しみにしてます! (2019年9月10日 21時) (レス) id: 5fb09e599b (このIDを非表示/違反報告)
蓬_よもぎ_(プロフ) - ルイさん» コメントありがとうございます。そう言っていただけるとは…嬉しいです!更新速度が遅かったり、至らぬ点もありますが、頑張りたいと思います (2018年7月26日 16時) (レス) id: 1cd130cdc2 (このIDを非表示/違反報告)
ルイ(プロフ) - とてもいいです!自分ベルモットが大好きなのでとてもニヤニヤしながら読ませて頂きました、続きの方楽しみにしてます (2018年7月26日 0時) (レス) id: d66282783f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:蓬_よもぎ_ | 作成日時:2018年5月10日 22時