【名探偵コナン】グレーゾーン

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Aとの電話を彼女の都合でなにかあったのか緊急で終えた後、携帯から通知音が鳴って、メールが届いたことを知らせた。

新着のメールには、Aから“ごめん今から仕事が入っちゃったから電話は無理だ、ごめんね”と謝る文が。

急に電話を終えて心配だったが、そのメールの一文に安心する。

急な仕事が入っちゃったのね。


“いいわよ、仕事頑張って。また明日ね、”と返信を返して、ベッドの横に座る。


あの帰り道の日からAが私になにを隠しているのか、彼女の口から言ってくれるのを待とうと決心してから、彼女は何か抱え込んでいるように感じて仕方がない。

私が疑惑の顔をすると、まだ言えないとAの困った笑顔を見るのが嫌だから聞くのを我慢しているというのもあるが。(私もAに甘えさせているのかもしれない)

とにかく、彼女は秘密が多い秘密主義な子らしい。あのオーバーな物言いと言動から来る犬っぽい感じからは想像もつかないけれど。

彼女のことを秘密主義、と言ってしまうと、私も勿論、自分のことを棚に上げて人のことは言えないのだが。


スプリングの音が鳴るのを感じながらベッドの上で足を組む。

仕事を終わらせて、Aと電話で話すのでちょうど12時ごろになると思っていたが、今の時刻は11時。

やることもないから、お酒を飲もうと、ベッドのわきから立ち上がる。



「(そういえば、Aと会ってから、一回もマティーニを飲んでないわね、)」


これからも、Aに愛想が無くなる限り飲む気はさらさらないけど、と自身のコードネームであるベルモットをガラスに注いだ。

液体を眺めながら、電話をかける。


「あ、もしもしバーボン？________ええ。ちょっとお願いしてもいいかしら」

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