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会場の外にはまだ沢山のファンの子がいて入れる雰囲気ではない。
とりあえず裏口の方にいる警備員に話しかけて中に入れてもらおう。
『 すみません、中に携帯忘れたみたいで取りに入りたいんですけど…。 』
「 はぁ〜〜。 」
は?溜息つかれた?
「 貴女みたいなファンいるんですよ。
中にまだアーティストいるからって、何か忘れたので中に入らせてくださいって人。 」
「 困るんだよね〜。 」と笑ってる警備員。
『 そういったファンの方がご迷惑をおかけしたなら謝ります。
ですが、何の事情も聞かないで一概に全てがそういったファンだと片付けてしまうのは納得いかないです。 』
「 はぁ…。 」
なんなの、この人の態度!!!
『 そこまで信用できないのであれば大丈夫です。
アーティストの皆さんがこの場を去ってから入らせていただきますのでそれまで待っててもいいですか? 』
「 それって出待ちでしょ?
どんな条件でも入れられないから。 」
『 であるなら、これが私のチケットの座席です。
携帯を忘れてしまったので取ってきて頂いてもよろしいですか? 』
「 それが人に物を頼む態度?
説教垂れて、中に入れないからって逆恨みしないでよ。 」
はぁ〜〜?!
本当なんなのこの人!
「 警備員さん、この子俺のツレだから通すよ。 」
グッ と引かれた腕。
この人の正体に私はまだ気付かない。
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作者名:藤井 波留 *゚ | 作成日時:2021年8月26日 23時