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私に話しかける前に警察を呼んでいてくれた瑞稀は隼の腕をグッと掴んだまま警察に手渡してくれた。
一度の警告を無視した隼はそのまま捕まるらしい。
『 こわ…かった…。 』
ずっと気を張っていたからか、地面に座り込んでしまった私と同じ目線まで屈んでくれるのは瑞稀の優しさだと思う。
瑞「 大丈夫?
警察の人が部屋の中の盗聴器やカメラを回収してくれたみたい。 」
『 …大丈夫。
迷惑かけてごめんなさい。 』
瑞「 俺は謝ってほしいからAを助けたわけじゃないよ。 」
「 ほら、言って。 」と優しく声をかけてくれる瑞稀。
甘えたくない…甘えたくないのに…。
弱くてごめんなさい。
『 ありがとう、瑞稀くん。 』
瑞「 ん、どういたしまして。 」
『 今日オフって言ってたのに、無駄にしちゃってごめんね。 』
瑞「 やることなかったし別にいいよ。
俺はもともとAと遊びたかったし?笑 」
『 う…ッ、それもごめんなさい。 』
瑞「 ハハッ、意地悪言ってごめん。
ちゃんと理解してるから。 」
少しだけ、悲しそうな目をした瑞稀に私は気付けなかった。
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作者名:藤井 波留 *゚ | 作成日時:2021年8月26日 23時