# パレット 【 ヒプマイ短編集 】

傷跡 × Samatoki.A ページ21

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「 オイ、テメェ。

何してやがる。 」









俺の隣りの部屋で俺に背を向けてるA。









『 何もないよ？ 』








ニコ ッ と笑うAはどこか嘘くさい。


日光アレルギーだから、と常に長袖を着てるAの腕には血が滲んでいた。









「 オイ！！！これ、どうしたんだよ！？ 」








『 …何もないよ。 』







「 お前のその言葉は聞き飽きたわ。

…ッ ！ 」









腕を引っ張って自分の方にAの体を持ってきて見ると、そこには考えらんねぇほどの切り傷。









「 …ッ 、 自分でやったのか…？ 」









コクン ッ と頷くAに怒りを通り越して悲しみしか感じなかった。









「 …お前も、俺を置いていなくなンのかよ。 」









Aに過去色々あったのは知ってる。


だからといって見過ごすわけにはいかねぇ。









『 …ッ 、ごめんね。 』









「 テメェのそれは何に対する言葉なんだよ。 」









驚くほど冷たい声が静かなこの部屋に響いた。









「 俺に対する言葉か？

…ハ ッ 、反吐が出る…ッ 。 」









Aを好きだからこそ、


世界で1番大切だからこそ許せねぇ。









『 …ごめんな、さい…ッ 。 』









泣きじゃくるAを自分の頭を自分の胸に当てる。









「 …泣きじゃくるくらいならすンじゃねぇ。

癖だか何だか知んねぇけど、Aがいなくなるなんてことは俺は許さねぇからな。 」








『 ごめんなさい、左馬刻…ッ ！ 』








「 もう泣くな。

手当してやる、もうぜってぇすンじゃねぇぞ。 」









頭をくしゃくしゃに撫でると、Aは更に泣きじゃくった。


…泣いてばっかだな。









「 ほら、俺様が手当してやるんだ。

少しは嬉しそうにしやがれ。 」








そう言うと、Aはぎこちない笑顔を作った。


…フハ ッ 、可愛くねぇ。


でも俺にはAしかいねぇんだよ。









(( 俺の大事なモンに傷付けるのは誰だろうと許さねぇよ。 ))


(( Aでもな。 ))









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蘭様リクエスト



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