登坂家の日常。。。9

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「いい？離すよ」


「おぅ」



"カシャカシャカシャ"



カメラを構えた広臣がシャッターをきる


私見てにこにこななぎはカメラ目線じゃないけど


すぐにふーっと横に倒れそうになって



「おー」



身体押さえて



「セーフ」



それで「キャッキャッ」喜ぶなぎは楽しそう


意外と乱暴なこと好きなのよね、この子


まだお座りができないから
シャッターチャンスは短い





広臣がなぎ王女の姿を記録に収めておきたいって
バックをいろんな場所に変えての撮影会でパパとママは大騒ぎ








それから離乳食を始めたなぎも一緒に夕飯を囲む



今のところなに口に入れても食べてくれるから好き嫌いはなさそう


食べるのも上手だし食欲すごいし
小さく産まれたくせにすでに標準を上回るその身体はむっちむち


赤ちゃん赤ちゃんしてて
か〜わい





そのうち
ベビーチェアに座ったまま
こくりこくりと船を漕ぎだしたなぎちゃん



「あらら
今日は疲れたよなー」



パパがすかさず抱っこする


その寝顔は



「ほんと天使だよね」


「ほんと天使
よく目に入れても痛くないって言うけど、その気持ち分かるわ」



しみじみと言う広臣


それなのに



「今日はママのせいでごめんね」



すやすやと眠るなぎの頭を撫でて謝る


それこそあっちにこっちに忙しかったもんね



頭では分かってるんだよ
まだ乳飲み子だからしょうがないのは



でも…



あたしばっか
あたしばっかってなっちゃって



だから…



んーん
広臣は家族のために仕事してくれてるじゃん



たまに羽目外したっていいじゃん



ちゃんと帰ってくんだから



こんなにも私となぎを愛してくれてるんだから



あ"ー



あたしって
まだまだだ…





「ふっ」



あー笑った



ムカってして
私見て微笑んでる広臣をジロリ睨んでやると



「そんな自分責めんな
別にAはAのペースでやってけばいいの

でも誰にも頼らないで1人でよくやってるよ

ただな、なんでも1人でやろうとすんな
だから辛くなんの
もっと俺に言ってくればいいじゃん

なっ」



んなこと言っても
広臣もよくやってくれてるよ



「ありがと
じゃあさ たまでいいから
今日みたいにちょっとだけ寝かせて」


「そんなことでいいの？」


「うん。やっぱね
人間 睡眠って大事なんだよ
今日ね、あんな少しの時間でもぐっすり眠れて生き返ったから
できれば広臣と寝たかったけどねー」


「あーそうですかー」

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