登坂家の日常。。。9

9-43 ページ43

・




「A…」



広臣の優しく呼んでくれる声で目が覚めた



「あ…」



もう仕事行くのか



時間にすればほんの数時間だけど
久しぶりにぐっすりと眠れた



いつも眠気を引きづりながら仕方なく起きていたのが気持ちよく起きれたし



それもなぎ見てるって言ってくれた広臣のお陰
自分だってろくに寝てないのに






「いいよ。まだ寝てて」



頭を撫でてくれる広臣



「でも…なぎ」


「なぎならじぃちゃんち」


「え……？」



一瞬言ってる意味が理解できない



「だから、大村さんと律さんがなぎ迎えに来てじぃちゃんちに連れてった」


「え"ー」


「なんだよ文句あんのかよ」



そういうわけじゃないけど
そんなことしたら…



「おじいちゃんに言われちゃうじゃん
「子供も満足に1人で見れないのか
なんだ育児放棄か」って」


「だな。そこは厳しいじぃちゃんだからな
でも大丈夫。Aが風邪ひいちゃったって言ったから。
そしたら それじゃなぎに感染ったら大変ってすぐに迎え来たんだから」


「ふっ
あんたってほんと嘘つき」


「でな、Aよくなるまでなぎ帰さないって」


「まじ？」


「まじ。しかもミルクとおむつだけでいいってそれだけしか持ってかなかった
服はじぃちゃんがたくさん買ってあるからって」


「えー
それ非常に怖いんだけど
どんな服着せられちゃうの？なぎちゃん」


「まーどっかの国の王女仕様だろうね」


「それはそれで、可愛いかも」


「ふっ…」



鼻で笑われちゃう



「なに？」


「ん？結局なぎが頭から離れないなーって」



言われてみれば確かにそう



「そりゃなぎのママだもーん

でも、寝かせてくれてありがと
あと…変なことばっか言ってごめんね」


「いいよ
俺が悪かったんだから
ちょっと調子に乗り過ぎた
だから俺こそごめん」


「ううん」





ちょっと言い過ぎたよね



ずっと大人しくしてたのにね



たださー
シャネルの匂いだけはさー



気を遣ってほしかったな



それだけっ！！！








「あっ今から仕事行くけど、なーんもしないでいいからな
この際だから気の済むまで寝てろ

帰ってきたら…………ムフッ 」





なんだそのいやらしい笑みは



え〜



今日は覚悟しとけってこと？



やだ〜



も〜



「えっち」

9-44　〜広臣〜→←9-42　〜広臣〜

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す