登坂家の日常。。。9

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男同士、先輩後輩同士
いろいろな話があるだろうから気を利かせて


なぎをベビーベッドに寝かせて、私もベッドにゴロンして小さな音でテレビを見ていると



"カチャ"



遠慮がちに開くドアから
広臣が入ってきた



「A、敬浩さんが呼んでる
一緒に呑もって」


「うん」



それで「ほら」と手を出してくれる広臣に起こしてもらって



ダイニングまで来ると



「A、この梅酒うめーな」



私特製うめっしゅか
そのグラスを私に向けてきたお兄ちゃん



「でしょ。ちょっと傑作品になった
でもバカ飲みはしないでくださいねー」


「分かってますー
それよりほら。Aも呑も」



そう言って私の分も入れてくれてあったうめっしゅを差し出してくれたから


広臣の隣に座ってグラスを持つと


お兄ちゃんも壱馬くんも広臣もグラスを上げて



「はいっいいですか」



お兄ちゃんが音頭とる感じ？



「「「はーい」」」



3人の声が揃う



「じゃあ俺からひとこと
A。なぎ産むまでよく頑張りました
臣もそれ支えてよくやりました
結局 お兄ちゃんは何もしてやれなかったけど
臣が何も言わないからな」



それで睨まれる広臣
そんな広臣は照れて片眉上げ



「Aがそんな大変だったなんて
後から聞いてびっくりだったよ
でも無事なぎが産まれてお兄ちゃんは嬉しいです
そんなAと臣を称えて

乾杯」


「「「かんぱーい」」」



男どもの元気な声


私は…





「えっ泣いちゃうの？」



広臣に言われちゃう


まさかお兄ちゃんからこんな言葉貰えると思ってなかったから


目尻に溜まった涙を手で拭って



「へへっ」



笑って見せた








「なぁA」



急にお兄ちゃんが真剣な顔をする



「はい」


「臣を頼むな
こいつ楽しいこととか嬉しいことしか言わねーから
辛いとか苦しいことは隠すから
そこがお兄ちゃん心配なんだよ」


「そうですね
私にもそうですよ
でもなんとなくなんかあったなーって分かるから
そんな時は放っておくんです
なにしたの？なにがあったの？っていちいち聞かれるのも嫌な人だから」


「なるほど
やっぱAだ。よく臣を分かってる

なっ壱馬。これがこの2人だ
羨ましいだろ」


「はい
Aさんめちゃ可愛いしなぎちゃんも可愛いし
敬浩さんのところもですけど
羨ましいっす」



「はっ？」
「そこ？」



先輩2人の声が重なって
みんな大笑いになった

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