登坂家の日常。。。9

9-36　〜広臣〜 ページ36

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「……………」


「ほんとなぎちゃんは泣きもしないで偉いですねー」


「……………」


「それに比べママは…」


「……………」








結局なぎは感染症による発熱
感染症なんて聞いたA



「それって大変な病気なんですか？
治るんですか？」



なんて大慌てになって
泣きそうになってんの



でな



「お母さん。よく聞いてくださいね
感染症は簡単に言えば"風邪"です」



なんて涼しい顔したケンちゃん先生に言われ



「かっかっかっかぜー？」だって



それでもそのまま放っておけば大変なことになってたってから、病院に連れてきて大正解



ケンちゃん先生も、Aに分かるように家での対処法とかを説明してくれて、何かあればすぐに連れて来なさいって言ってもらえて落ち着いたみたいよ





にしても
なぎはママに似たのか？
我慢強いっていうか何ていうか



ぐずるわけでも泣くわけでもなく
ひたすら寝てるだけって



赤ちゃんなんだから何かあれば泣いて教えなきゃ



だからママがパニくるの



なんて
そんな元気もなかったんだったんだもんな



それに早く気付いてあげれなくて
ごめんな。



ママはなぎは手がかからないからって
余裕ぶっこいてたからね



あまり虐めると不貞腐れちゃうから
もう辞めといてやるか





ケンちゃん先生から



「口動かしてるからミルクあげてごらん」



と言われ
Aが哺乳瓶を口に持っていくと
いつもの勢いはないにしてもちゃんと飲んでる



それ見て「ほっ」っと安心した顔して俺見てくるA



「これなら大丈夫そうですね」



ケンちゃん先生からもそう言ってもらえて
俺も「ほっ」っと胸をなで下ろす



「ミルクを飲まなくなったり、吐くようならすぐに来てくださいね」


「はい
あーケンちゃん先生に診てもらってよかったー
いろいろとありがとうございました」



え…こいつ目が♡になってる



そりゃ哲也さんに似てんよ



もろAのタイプだよ



だからって
ここ病院。この人先生。



ったく不謹慎な



なんてイラついてれば





「あー広臣がいてくれて良かった
私1人じゃどうなってたか
やっぱ頼りになる旦那だよ
広臣 ありがと」


「ふっ
あたりめーだろ
俺を誰だと思ってる？」


「ふっ
広臣は私の夫、旦那、主人
その嫁だからあたしは臣嫁
あー臣嫁なめんなのはずだったのになー」


「ふっ
それがおまえなの」


「ふふっ」

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