登坂家の日常。。。9

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「いたっ」


「んだよ」



いや広臣じゃないって
なぎだって



私におんぶされてるなぎちゃん


目を覚ましたのはいいけど
泣きもしないでポニーテールにしている私の髪を引っ張って遊びだした



「うわっ」



急に頭を後ろに持ってかれて



「あーなぎー」


「クックックッ」



鏡越しの広臣
拳口に当てて笑ってる








昨日同様
今日もメイクルームは大忙し





なぎを抱っこしてスタジオ入りした広臣。
他のスタッフさんたちにいちいち顔を見せに歩いて、いちいち「可愛いー」言われて…


んーん
言わせて まーご機嫌





「あーちょっとー
Aこっち来てみ」


「なに」


「いいから」



手招きされて直己さんやっているミアの所へ行けば



「ちょっとかがんで」


「ん」



ミアに言われるまま少しかがむと



「こんな馬の尻尾みたいのがぶらぶらとしてたらいたずらしたくなるよねーなぎぃ」



なんて言いながら私の馬の尻尾をくるくるとまとめてくれた



「はい、いいよ」


「おーサンキュっ」



それでミアと笑い合う


やっぱ素直がいちばんよ


それ見て直己さんと広臣も笑い合ってる





「あーミアちゃん。直己さん終わったら
エリー頼む」


「オッケー」



奈緒美さんともいい感じじゃん



「あっ私も広臣終わりますよ」



一応 奈緒美さんに伺う


そうすれば


おーぅ
鏡越しにガン飛ばしてくるダーリン



「あーAちゃんは臣くんだけでいいよ」



そうなるよね…


そりゃ昨日 言われたよ
言われたけどさ



「たかのりーふらふらしてんならこっちおいでー」


「はいよー」



この王子は弟ですから
王子だってそのつもりだわ


それでもまーだ睨みきかせてるよ



「ほらっ たかのりとチェンジして
早くやって早く終わった方がいいでしょ」


「はいはい。分かりましたー

はいはい はいはい
はいはいったかのりーどうぞー」



"はい"は一回だってのにわざと言いやがって
ぶっとばすぞ









・









「お疲れ様」
「おつかれー」



控室の外からそんな声が聞こえだして
ざわざわばたばたと歩く音


ふぅ


やっと終わった



これで今度出す新曲のMV撮りはすべて終了らしい



すでにおねーちゃん相手のシーンは撮り終わってたみたいだからそこは見なくて済んだけど



これからそーゆーのも見る機会があると思うと…



いや 仕事だ仕事



あくまでも
し、ご、と！！！

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