登坂家の日常。。。9

9-29　〜広臣〜 ページ29

今日も変わらずこいつのカレーは



「うめ〜」


「でしょ。今日はねコーヒー入れてみた」


「へーコクが出るとか言ってたもんな」



日々味の変化するカレーだけど、基本〇ーモント甘口だもんな。なぎもこのカレーで育ってくんだよなー









・









「ねぇあのさ
ミア ニューヨーク帰るって」


「あっそっ

じゃねーよ
何でAがそんな事知ってんだよ」



あー訳わかんねー
当然 怒り顔でA見ちゃう



「あの後ね
キャラマキ持ってわざわざ戻って来てくれたの」


「ミアが？おまえに謝りに？」


「いや。謝りはしなかったけど…」


「だからーそこがあいつのズレてるとこなの
まさかそのキャラマキで騙されてねーよな？」


「騙されたって
騙されてはないけどいろいろと話したよ」


「で、仲良くなったとか？」


「なったよ」


「まじか…」



頭抱えちゃう



「おまえさ、なんでそんなばかなの？
ってより相当頭イカれてんだろ」



何話したんだか
あれだけの事言われたのに


自分の技術否定されるような事まで言われたのに
どこまで人がいんだか


ほんと呆れる
ってよりおまえにはプライドってもんないのか？


俺は心配になってくるよ





当然タコんなってるA



「そんなこと言ったってミアってそんな悪い子じゃないよ」


「それは分かってるよ
レイさんの妹だからな

でも今日分かったろ
あいつの仕事の姿勢は日本じゃ通用しないの
だいたい考え方そのものが俺らと違うんだよ
あいつのスタンスはやりたい仕事しかしねー
他の人が困ってようが自分の仕事じゃないからやらない

そんなやり方したかったらニューヨークに戻ればいいの」


「でもさー」



もー何考えてんだよ


レイさんもミアも元々帰国子女で英語が堪能だった。ミアは高校からカナダに留学していて、それからニューヨークで美容の勉強をしたって聞いてる


ずっとニューヨークにいたらしいけど、数ヶ月前両親のいる日本に戻って来て、レイさんに頼まれた直己さんがミアを連れてきたってのが俺らの出会い


まさか…



「レイさんの話聞いた？」


「うん…シアトルにいるんだってね」


「らしいな
でもそこは俺らが口出せる話じゃないからな」


「分かってるよ
たださ…」


「あーお節介は禁物
俺は何も聞きませーん」



手のひらで耳を塞いでそう言えば



「チッ」



このアマ
舌打ちしやがった



ほんと…



お人好しもほどほどに
だからっ

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