登坂家の日常。。。9

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3年前なんとなく調べて来たこのお寺
なんとなくだったけど何かの導きだったような気がする





お寺の敷地に入った瞬間なぜかホッと癒される感じ



そしてここから本堂までは長い階段を上って行かなければならない


正直 この数ヶ月でかなり体力が落ちている私
それ考えただけで



「はーぁ」



ため息が出ちゃう
そんな私に



「ほら」



手を出して繋いでくれる広臣



「ゆっくり上がってこ」


「うん」



広臣に手を引かれひとつひとつ階段を上って行くと途中にたくさんの水子地蔵があって


その数だけ悲しい思いをしたパパママたちがいるんだって思うとなんとも言えない気持ちになる


この中にはもちろんジュニアのもある



その前で
広臣と並んで手を合わせる



それだけでジュニアに対しての罪悪感が
すーっと楽になるよう



目を開けて…隣の広臣を見ると



広臣もこっち見てて



「「ふっ」」



2人して笑い合う



「前はここでぐずぐず泣いてたけど
今日は泣かなかったな」


「うん
悔やんでも何してもジュニアは帰ってこないから
広臣が言ってるじゃん
前向き前向きって
だからもう泣かないの
ただ忘れててごめんって謝った
だからこうしてたまに来てあげようね」


「だな。ジュニアもおまえ来てくれて
喜んでるよ、「ママ待ってたよ」って」


「もーすぐそうやって私泣かそうとする」


「いいじゃん
泣いたら抱きしめてやるから
ほら泣けっ」


「ふんっ泣くか
ほんと意地悪
そんなことより早く上行って海見よ」



広臣の手を取りながら
そう言って歩き出そうとすると


逆に引っ張られて走り出すから



「うわっ」



っとなる
そのまま走って階段を上がって行くと





「わー」
「おー」





急に走らされてムカついてたけど



はぁはぁしちゃってるけど





目の前に広がる
鎌倉の街並みとキラキラ光る海が綺麗で





広臣と2人並んで
しばらく見つめていた

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