登坂家の日常。。。8

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病室に2人きりになると、たくさんの管に繋がれた私の側まで来てくれる広臣


私が手を出すとその手を強く握ってくれて、私の頬に手を置いて



「おつかれ
よく頑張ったな。ありがと」



もう何も言えない
収まった涙はまた溢れ出して


ただ「うんうん」「うんうん」と頷くことしかできなくて


そんな私に



「ほら」



携帯で撮ったジュニアの写真を見せてくれた。


意識が遠のく中で顔もよく見れなかった小さなジュニアの写真を見て、またボロボロと涙がこぼれる


その写真に向かって



「ジュニアー
ママだよー
ママを助けてくれてありがとう
ママをママにしてくれてありがとう
早くママの所に戻っておいでー」



いっぱいいっぱい話しかける



ふと見ると
広臣の目から涙が溢れそう



「もぅ広臣まで泣かないでよ」


「いいだろ
これは嬉し泣きと
Aが俺のところに生きて帰ってきてくれた安心の涙なんだから」



そう言うと
広臣の涙が溢れ出して



2人して泣き笑いになった









「えっじゃあ
なんも分かってないの？」



どうやら広臣は、手術の後に先生から手術中の私の話をされたらしいけど



「だって ずっと訳わかんねーことばっか言ってんだもん
俺はAが無事ならそれでいんだから

あっおまえの子宮は見せられた」


「そっか…」


「ジュニアの頭くらいあったわ。筋腫のアホやろう。あんなのが腹ん中にいたんだもんな
ほんとおまえは偉い。偉い。
ジュニアもあんなのと仲良くいたんだからジュニアも偉いわ」



広臣だってジュニアで
笑える









命の誕生と、命の危険を同時に味わった私


結局 命の誕生の喜びが勝つんだって分かった



痛くて辛い状況で、訳も分からず手術になって
女として大事な子宮が無くなった


でもまだ写真だけだけどジュニアの顔を見るだけで幸せな気持ちが溢れ出てくる。





ジュニア…改め
我が家のプリンセス



広臣と私のところに産まれてきてくれてありがとう



お腹の中で、筋腫ヤロウと共に一生懸頑張ってくれてありがとう



広臣がいるときに産まれてくれてありがとう
産まれたときからパパ孝行だね



広臣と私をパパとママにしてくれてありがとう



これからは
家族3人。たーくさん笑って、たーくさん幸せになろうね



新しい命に感謝
繋がった命に感謝



広臣に感謝



「広臣。ありがと。」

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