登坂家の日常。。。8

8-26　〜広臣〜 ページ26

俺に弱音を吐いてからのA



明らかに変わった
これが母になる強さか？



たまにくる筋腫のいたずらの腰の激痛に



「いてーな
ばかやろこのやろ」



と相変わらずの口の悪さで悶え苦しみ



点滴の針の跡だらけの真っ黒になった痛々しい自分の腕見て



「ほら〜広臣、記念にこの腕写真撮っといて〜」



なんて呑気に言うし




それでも



俺が行くと嬉しそうに



「はいっ」



腕広げてくるから
ハグしてやると



「パワーチャージ」



と言うAにチューをしてやるのが日課になって



そんな俺を待ってた？なんて思うと
嬉しくなって…



ってな感じで





やっと32週、9ヶ月に入った
ジュニアも2000ｇ完璧越したし



まだもう少し大きくなってからのがいんだけど



ここまでくればいつ産まれてもいいと思う









そんな中
腰の激痛があまりにも頻繁にくるようになり



Aも苦しいけど、ジュニアも苦しいからと



「そろそろ出しちゃいます？」



そう先生から提案があった
それも帝王切開で子宮全摘出術も同時にって



当然



「広臣はどう思う？」


「んー俺としては、Aとジュニアを早く楽にしてあげたい」


「そっか
私はね、本音は今すぐ出したい
でもね、それじゃ私たちが誕生日決めちゃうみたいになるじゃん

だったら自然に任せた方がいいのかなって」





ここで新たな問題発生で2人で悩む



先生は、ジュニアが危険な状態ならすぐ出すけど
今は大丈夫だって言ってくれてる



ただ、Aがどこまで耐えられるかが問題だって





「おまえさ、そこまで我慢しなくもいいよ
もし今ジュニアが出てきても病院の保育器に入ることにはなるだろうけど、よっぽどのことがない限り大学病院に運ばないで済みそうだって言われたろ」


「んーーーーーーどうしよう……」



なんて言ってる間に



「あっきたきたきた
いってーあ"ーーーーー痛い痛い痛い…」



ほら激痛きた
すこーしそうしてると



「ふー」



で収まるけど



「やっぱ出してもらおうよ」



「んー……」

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