登坂家の日常。。。8

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ちょうどよく広臣の親指が腰の痛いツボに入り



「……っ…はぁ…」



気持ちいい…



今まで脚のマッサージはしてもらったことあっても、肩は揉んでくれたことあっても、こんな指圧は初めて


程よい強さがちょうど良い


自分がチョンちゃんにしてもらってるようにやってくれてるのかな？


まじ有り難いよ。ダーリン





この腰の痛みも妊婦だから仕方ないのもあるけど
そればっかではなく



我が子と共に栄養を摂取して成長している
筋腫くんという極悪非道な馬鹿野郎のせい



先生から「悪さしなきゃいいな」なんて言われていた筋腫くん



少し前の偽陣痛のあたりから悪さが始まり
筋腫くんの反抗期、変性痛らしい



結果 子宮筋腫合併妊娠という病名まで付けられ
まるで病人だよ



炎症を抑える薬を飲んでるけど、赤ちゃんになるべく影響しないようにって弱い漢方の薬だから効いてるのか分からない…



このままいけばいいけれど



筋腫くんの悪さが酷ければ
最悪 大学病院に転院して帝王切開になるかもだから
ついでに子宮も摘出しちゃうかもだからねー



なんて簡単に先生に言われ
あたしのが筋腫くん以上にグレたいわ



とにかく



あたしは あの病院で子供産みたいの



あそこのご飯じゃなきゃ嫌なの



出産した日に出る
フレンチの有名シェフのコース料理食べるんだから



頼むから
グレないで真っ当な人間になってくれ
筋腫くん



は…人間じゃないか…








指圧師臣の手によって、眠気に襲われ
うとうとっとしたところで



「そういえばさっき
おまえの言うマセラティの男(ひと)に会ったぞ」


「えーいいなー
私も会いたかった」



なんて言えば



「わっなに
あっ…あっ…やめて…」



脇腹掴まれて
くすぐったくて
悶えちゃう


すーぐやきもち妬くんだから



「ったくよく言うよ
散々 怪しいだ気になるだ仕事してんの？なんて言ってたくせに
あの人が誰か分かった途端これだよ
ハイローだって出てんのに
ついでに、Aちゃんによろしくだってよ」


「あらーそれは嬉しい
でもさーほんとカッコいいよねー
加藤雅也さん♡
あの大人の色気っていうの？
あの人ならすべて捨てて付いていってもいいわ」


「あっそ
そうすればいいじゃ

さっ俺寝るから
おまえもいつまでも素っ裸でいないで、何か着れば」



やばっ怒らせた
ちょい調子に乗りすぎた…



「やだー
私も寝るー待ってーダーリン」

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