登坂家の日常。。。8

8-36　〜you&広臣〜 ページ36

〜A〜





〜♫子供たちが夢を持ったまま
生きていってほしいと願うから♫;〜



急に綺麗な歌声が聞こえてきた


途中からだけど



「愛すべき未来へか…
それ好きだったな…」


「よくカラオケで歌わされたもんな」


「だね…」



〜♫僕が笑顔でいられたら
あなたの笑顔がみていられる♫〜



そのまま続けて唄う広臣


これ…私に対して…言ってる？



唄い終わった広臣。ベッドに座ってる私の横に



「っしょっ」



靴脱いで同じように座ってきた
当たり前で狭いから、少しずれてやる…けど…



「なに？」


「ん？おまえさ
ずーっとため息ばっかだから」


「だって…
姫が保育器から出れないの私のせいだから」


「だから、おまえのせいじゃないって
ミルクは一生懸命飲んでんだから。あと少し体重増えれば出れるって
Aもちゃんと話聞いたろ」


「そうだけど…」









・









・









〜広臣〜





何の意図もないけど
いや、Aに笑っててほしいって思ってるからかな…


なんとなく出てきた"愛すべき未来へ"


AがEXILEの曲の中で好きな曲のひとつ





ツアーもやっと終わり
これから年末にかけて忙しくなる前の ちょっとだけのんびりできる時期


Aの回復は順調だし
あと数日の入院期間、ずっと一緒に過ごせるって思ってれば





まだ保育器から出れてない姫


どうやら母乳が全然出なくて
そのせいだって、Aは思い込んでる


佐々木さんいわく、出ないのは精神的なものじゃないかって



「はーぁ」



またため息つきやがる
これじゃ名前の話もできないわ



「おまえらしくないねー」


「だってさ、ほんとは3時間おきに授乳しに行くんだよ。それはしょうがないとしても…」



最初はマッサージしたり、搾乳も頑張ってやってたらしい


でもじわっと滲むだけで…


それからマッサージしてやるって言っても
俺にさえ胸を触らせてくれない




「やっぱ俺が出してやる」


「だから、それはいい」


「なんで」


「なんでも」


「いいから、ほら胸出せ」


「やだ」


「いいから」



嫌がるAのパジャマをめくろうとすると



「いたっ…」



え…
腹には触れてない


今痛がったのは……



「胸痛いの？」


「……うん」



俺から目を逸らしたA


パジャマのボタンを上からゆっくりと数個はずし



少しめくって



「ほら」



見せてきた胸の膨らみは…



「え…何だよ…これ…何したっ？」

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