登坂家の日常。。。6

6-33　〜広臣〜 ページ33

「んーどれ？」



手を俺の腿に乗っけて、身体ごとこっちに寄せてくるA


無意識なのは分かってんだけど


股間に近い位置に置かれた手に
ふわっと香るいつもの匂いに


思わず"ピクっ"っと反応する俺のマツタケ



そうじゃん
帰ってきたら、カレー食う前にやろうと思ってたのに


チューだってしてないのに


こいつらは、いったいいつ帰ってくれんでしょうか？









「わっすごっ
これホンちゃんじゃん」



写真見た瞬間、興奮してAの手が俺の腿を掴む


平気なふりしてるけど、かなりキテるからこのマツタケ


そんなのこいつには分かってないよな



「えーホンちゃんとも友達って
どんな徳積んだらこうなるの？」


「そんなの知らねーよ
しかもホンちゃんって友達か」


「友達だよ
たかのりの友達だから

あれっ違ったっけ？」


「さ〜？」



岩田の友達は、自分の友達って
おまえはジャイアンか





と…


"ガチャ"っと皿と皿の当たる音がして



「えっ達也くん何やってんの？」


「あーこれだけ洗っちゃうよ」



洗い物し始めた？



「やだ、そんなことしないでいいよ
私やるから、達也くんもこっち来て座んなって」


「いいよ
ざっと洗ってここ入れときゃ、後は機械がやってくれんだから」


「そうだけど…」



で俺見んの？



「いいじゃん
やってもらえば

達也は、それでAのご機嫌とりたいんだから」



そんな言い方すれば
当たり前で顔色変えるA



「何ですぐそうやって捻くれたこと言うの？」


「別に」


「何その態度
ほんとあんたって性格悪っ」


「そうです、俺は性格よくないです」



一気に険悪になる


じゃねーって
ここで喧嘩してどうすんだよ


そんな俺らを見慣れてる、翔太と達也は
まったくの知らん顔



「だから違うんだって

ホンギは俺だって分かるよ
そっちじゃなく、その向こうにいるやつ

よーく見てみ」


「ふぇ？」



へんな声出して
間抜け面になるやつ


さすがに、翔太と達也にクスクスと笑われる



それに「ふんっ」としながら
俺の手から携帯をとって


じーっと見つめると



「これ大きくならないの？」


「指でビヨーンってしてみ」



「こお？」とか言いながら
人差し指と中指でそいつの顔を拡大して



「あっ……」


「だよな、あいつだよな」


「そうだよ

えーっここも知り合い？
ちょーびっくりなんですけど

わー世の中せまー」

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