登坂家の日常。。。6

6-30　〜広臣〜 ページ30

「えっ」



その名前…お嬢様？
もしかして…



「ん？広臣、知ってる子？」



斜め下から俺の顔覗き込むように聞いてくるA


そりゃカレーすくったまま、スプーン持ってフリーズしてんだもん、そう思うよな


別にあのソヨンなら、やましいことはしてないし



「あーそいつかは分かんないけど
イソヨンって超お嬢様に知ってるやつはいる」


「ふーん」



まぁ素っ気ない



「でもなんでわざわざ来たの？
日本語も話せたの？」



確かにAの言う通りだ
でもあのソヨンなら、十分あり得る



「うん、普通に日本語は喋る
予約の電話の時も、最初は韓国の人ってわかんなかったから

でさ、ネットの口コミみたいなの見て来たって
指名はないって言うから、私がやったんだけど
話聞いてたら、うちの店に来るだけに、日帰りで日本に来たって言うからびっくりよ

あともっとびっくりしたのは」



携帯を取り出した真理
慣れた手付きで操作して



「これ」



そう言ってAに渡してきた
隣から覗き込むと、反対側から達也もAにべったりしてきてイラっとする


それは、いかにもの今時の若い女のインスタ



「やっぱこいつか」



そう言えば
パッとAの視線を感じる


翔太も後ろから、俺らの肩越しに覗いてきて



「えっこの女、臣知ってんの？
すっげーいい女じゃん
ってかいつこんな女来た？」


「あれっ翔太居なかったっけ？」


「うん、俺知らない」



そんな夫婦の会話を聞きながら
画面を下にスクロールしていくA



「たしかに
これ見ただけでお嬢様って分かるわ

しょっ中海外に行ってんじゃん

このスーパーカーも何？
これもこの子の？

しかもこの子
ソルリと仲良いじゃん

もう何もかもすごいわ」


「ソルリって？」



不思議そうな顔してAに聞く達也



「ソルリってこの子」



そいつの写真を達也に見せながら



「前にガールズグループにいて、今は女優さんとかやってんじゃないかな？
最近のソルリは分からないや」


「へー確かに綺麗な子だな
しかも、そのソヨンだかって子、感じがAに似てる
で？臣は何でこの子知ってんの？」



全員の目がこっちに向く
Aの目が一番怖い気するけど



「簡単に言えば
うちの会社のスポンサー企業の娘

何回かライブにも招待して俺も会ったことあるの

この前、韓国に行ったのも
そこの会社との親睦会という名のご機嫌とりで行っただけ、うちの取締役連中も一緒にな」

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