登坂家の日常。。。3

3-46　〜広臣&you〜 ページ46

〜広臣〜





「臣〜着いたぞ」


「あっ…」





寝ちゃいないけど目を瞑ってて気付かなかった





「なぁ。あの座ってる後ろ姿Aちゃんか？」





ジャーナベが指差す方を見れば



外は暗いけど、建物のライティングが明るくてはっきりと見えた



ちょうど横向いて笑ってるあいつの顔





「あー
Aだ
でも隣のやつ誰だ？」


「さぁ〜
ナンパでもされたんじゃない？
あれだけの顔とスタイルだもん
声も掛けられるよなー」


「あ"ー」





こっちは連絡取れないで心配してんのに
呑気に男といるとか



どうなってんだ



一気に頭に血が上る



よく見れば
相手の男 若そうなやつじゃん



しかもあのバカすっげー優しい顔して笑ってるし
何がそんな嬉しいんだか








思わず車から飛び出ようとすると





「おっ」





俺の携帯がなりだす
画面は知らない番号



Aの方見れば…








「あ？」



思いっきり不機嫌で出てやる



「あっ広臣？
良かった〜出てくれて」



やはりAの声



「あぁ」


「あのね…
携帯忘れちゃってね
連絡取れなくて困ってたよね」


「あぁ」


「でもね、まだギャラリアの前にいるから」


「みたいだな
隣の兄ちゃんに携帯借りたのか？」


「へっ？」





間抜けな声出して
辺りをきょろきょろとして



後ろを向いて俺を見つけた途端



立ち上がって走ってくるやつ



そのまま勢いよく抱き着いてきて





「うっ」





変な声が出る





「は〜ぁ
良かった〜」





安心したように
呟いたけど





隣にいた男が
ポカンとこっち見てんぞ





そいつの携帯
持ったままだし





あいつはいったい誰だ？









・









・









〜A〜





電話に出た瞬間
最高に機嫌が悪いのは分かった



けど



顔見たら…



広臣が怒ってるとか何とかよりも



何かあったと思ってたから



安心して



嬉しくて



思わず飛びついちゃった




やはり広臣は来てくれた



それだけで嬉しくなる



しばらく抱き着いていたけど





「なぁあいつは？」


「あっ」





ミノを忘れてた



後ろを向けば
ニコっとしたから





「ミノや〜
うちのダ〜リン来たでしょ」


「うん
良かったねAヌナ」





ふたりで顔を見合わせて笑った





がー





「ん？
みのや？ヌナ？
なんだおまえら」





だよねー
広臣には分かんないよねー

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