登坂家の日常。。。3

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「え…」



美穂さんとはもちろんジャーナベの奥様の美穂さんのこと


ジャーナベのところも
子供できないって言ってたもんね


でも治療までしているとは思ってなかった



そう思うと
真理もそうだし、私の周りには同じ悩みの人が集まるのかも



ただ不妊治療って言葉では聞いていても
そこまでメジャーな事ではない


私にとって未知の世界だから
身近にそんな人がいるのもびっくり








「そのおかげでやっと子供できたんだけどね」



今なんと？
それっておめでたいことじゃん


なのに
けどねって？


広臣も"は？"って顔をして



「それ聞いてないんですけど」


「おお…それがさ
まだ言えない状態っていうか…


実はうちの美穂さん妊娠初期に2回流産しちゃってるの

今回も恐いから最初から大事をとって安定期に入るまで入院して絶対安静にしてようって

だから大丈夫って時期までまだ黙ってようと思ったんだけどね

Aちゃんの話を聞いて
臣とAちゃんには話しておかなきゃって思ってな」


「そうだったんですね…」


「だったら
美穂さんの傍にいてやんなくていいのかよ」



なぜか怒ったような口調の広臣


広臣にしてみればもっと早く自分には話してほしかったのかも



「うん。美穂さんのお母さんは元気だし
お姉さんも妹もいるから俺は用無しなの

美穂さんには「安心して仕事してきて」って言われてるから」



なんか美穂さんらしい


とは言ってもできればそばにいてやりたいと思う


子供ができた報告もすぐしたかったはずだけど…


広臣もそこは分かってあげて



と…そっと広臣の膝に手を置いて
顔を見ると


頷いてくれたから
ジャーナベの気持ち察してくれたかな…








そんな話を3人でしているけれど


私の目の前の田中さんも
難しい顔で頷きながら話を聞いている


が…


こんな話この人の前でしていいのだろうか？


広臣もジャーナベも何も気にせず普通に話をしてるけど


この人はいったい何者？

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